新刊チェック22/06/12-18
オクラちゃん、いい感じに芽が出始めました。実はあと1鉢増やしていて、かつポップコーンとやらも植えています。ポップコーン?どうなることやら。
中央法規出版
なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか
9784805887417
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784805887417
『脳科学者の母が、認知症になる』と同著者の新刊。去年、実際に祖母が入院先の病院から夜中あるいは早朝に脱走し、家(小屋のある畑の近く)までひとりで帰ってくるという事案が発生しており、まったくもって他人事ではないタイトル。明るいボケ生活中で齢80過ぎにしてチャリで買い物に行くパワフル婆でしたが徒歩散歩中に転倒、足首まわりの骨折で手術などなどで入院中の出来事でした。認知症&手術明けすぐの脱走・帰宅劇に関係者全員が慄きましたが、当の本人にその記憶は一切なく、顛末を話すと「そう、おそろしいねえ!」と笑ってひとこと。たぶん電車にも乗ってるはず……歩くと5キロ以上あるから……なんの話だっけ?
築地書館
深海学
9784806716358
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784806716358
築地書館の「好奇心旺盛」シリーズに新しい仲間が!!(勝手に命名)。装丁もまたよいです。ちなみにわたしはダイオウイカがいるだけで手にとってしまいます。
朝日新聞出版
外国人差別の現場
9784022951748
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784022951748
新書。安田浩一&安田菜津紀のタッグ。『ルポ入管』も思い出しておきたい1冊。
筑摩書房
あしたから出版社
9784480438225
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480438225
文庫。夏葉社・島田さんのデビュー作(だったはず)。著者紹介に”大学卒業後、アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指していた”とあり、そりゃ知らんかったぜ!となっている。なう。
筑摩書房
E.M.フォースター短篇集
9784480438096
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480438096
文庫。フォースターは英文学専攻としても復刊だったり文庫化だったりしてくれるととてもうれしい作家。セクシュアルマイノリティや帝国主義(含む階級社会)などの重要必須テーマを題材にした物語を書いていることもあり、古典として再評価というか、英文学コミュニティ以外の一般層にも普及してほしいところがある。とりあえずwikiだけでもチェックしてみてほしい。
筑摩書房
ジンセイハ、オンガクデアル
9784480438089
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480438089
文庫。ブレイディみかこ。”貧困、差別。社会の歪みの中の「底辺託児所」シリーズ誕生。著者自身が読み返す度に初心にかえるという珠玉のエッセイを収録”とのことで、親本=単行本はなかったはず。
筑摩書房
世界はフムフムで満ちている
9784480438263
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480438263
文庫。金井真紀さんのデビュー作、ついに文庫化。解説はポルベニールブックストアの金野さん。この組み合わせはいいですねえ。世界が回っている感じがするぜ。
筑摩書房
ポラリスが降り注ぐ夜
9784480438249
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480438249
文庫。李琴峰の注目作も文庫化。まだ単行本が在庫ありだぜ(買い切り)……ふふふ……。
講談社
余命一年、男をかう 1巻
9784065281536
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065281536
吉川トリコさんの同名小説がまさかのコミック化。ぶったまげたぜ。しかも1巻で終わりじゃない。これも近いうちもしくは刊行後に例の電子書籍売場にも登録しますので、電子派の皆さまはそちらからどうぞ。もちろん紙書籍も入荷します。
ミシマ社
中学生から知りたいウクライナのこと
9784909394712
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909394712
ミシマ社が運営している配信イベントを書籍化する試み、MSLive! BOOKSの1冊。小山哲と藤原辰史の対談がベースで、タイトル通り入門として入りやすい1冊になっているでしょう。口語体ってなんだかんだで頭に入りやすいですし。
世界思想社
本屋という仕事
9784790717706
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784790717706
編者は梅田蔦屋の三砂さん。前著は全編通して自分の原稿でしたが、今回はいろいろな本屋が登場して寄稿しています。本編とはあまり関係はないですが、やはり男性比率が高くなってしまうのがなんとも言えんなところです。話せる・書ける人が(男性以外だと)少ない、というそもそもの環境からして改善の余地ありな業界ですよね。チェーンの現場は女性のパートや学生で回っているというのに。もちろん女性店主の個人店も増えてきていますが、表立って言論活動をしていくことへの恐怖感もあるでしょうし、なんともなあ、という。LGBTなどのマイノリティアイデンティティーの属している場合だと、それを公表すること自体も壁になっているわけですし。
小学館
わたしからはじまる
9784093888554
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784093888554
『悲しみとともにどう生きるか』の編著を担当した入江杏さんの単著。副題の「悲しみを物語るということ」は非常に重要なテーマというか試みというか、この効用を知っているかどうかで人生は大きく変わると思うので、多くの人に読んで・知ってもらいたいですね。
イースト・プレス
小林快次監修 新・恐竜骨格図集
9784781620862
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784781620862
子どもの頃には毎年夏に幕張メッセで恐竜博が開催されていた幕張の民としては、こういうガチモンの恐竜図鑑的なものは飛びついてしまうでござる。A4変形・160ページで3800円+税は明らかに安いです。これはイースト・プレスが無理をしていますので、購入で応援を(刷れば刷るほど赤字になる可能性も0ではないが!!)。
岩波書店
死刑について
9784000615402
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784000615402
平野啓一郎。小説ではなく人文書。タイトル通り死刑制度についての思索。
KADOKAWA
知ら恥ベストシリーズ1 知らないと恥をかく中国の大問題 習近平が目指す覇権大国の行方
9784046057952
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784046057952
今週の「こういうのやめてくれ」本。池上彰に対する信用度は相当前から低下しているのですが、今回気になるのはこの赤字タイトルどーん!の装丁です。わかる人はすぐにわかると思いますが、いわゆる「ヘイト本」によくある色の使い方かつデザインセンスです。ようは、出版社側が設定している客層がネトウヨであるということで、仮に本の中身がまっとうなことを言っていたとしても、これを買うのはネトウヨであり、そして書かれていることを利用して=ヘイトの材料にするのもまたネトウヨであるということなんですが。前も文藝春秋が『反日種族主義』を出したときにも「ヘイト本ではなくまっとうな批判本だ」みたいなことを言っていたのですが、ならばその手の人が買わなそうな見た目=装丁にするべきで、実際にはその手の人たちによるバズり=売上を期待しての刊行なんでしょ?というのが透けて見えるし、いい加減にしろよという感じだったのですが、今回の池上本は『反日〜』よりもド直球の”ヘイト本装丁”なのでマジでうんざりしています。中国の非人道的な統治を批判するのが目的ならこの装丁とタイトルにはしない。KADOKAWAは隣国ヘイト系には手を出していない印象があったので、ついにか……という感じです。
今週分ラストを飾るのがクソ本になってしまったのが残念ですが、オクラちゃんは元気です。
そしてポップコーンはこちら(左)。写真が下手。