新刊チェック22/07/17-23
午前中に父親と野球場でキャッチボールをしてきたのですが、マウンドに立ってセットポジション取って静止……してたら視線の先にある3塁側ベンチ奥のフェンスのところにスイカの皮(全球3分の1サイズ)が見えまして、夏がはじまりました。危うくボーク取られるとこだった。
平凡社
障害者ってだれのこと?
9784582839036
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784582839036
中学生の質問箱シリーズ新刊は荒井裕樹さんから。荒井さんは最新刊の『凜として灯る』がとてもよかったですし、いまキテる書き手のひとりですね。『凜として灯る』はあらためてどこかで紹介したいところ。
河出書房新社
あくてえ
9784309030630
https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309030630/
芥川賞候補作。発表前後の発売ですね。帯の紹介文も端的かつ興味をそそられるし、そのうえでのこの装丁はいいですね。いい眼差しだ……。
筑摩書房
べつに怒ってない
9784480815668
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480815668
武田砂鉄、新刊。今回はふだんのより軽い感じのエッセイでしょうか。装丁も緩い……と思いきや謎のキャラの目がちょっと異質というか狂気を感じさせるので、やはり毒はあるもよう。笑
岩波書店
史的システムとしての資本主義
9784003840016
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784003840016
文庫。最近「資本主義(の問題点)とはなにか」的な観点に関心があるので気になってしまうし、紹介文にある”「中核/周辺」「ヘゲモニー」「帝国」「反システム運動」などの概念”は「反共産主義※独裁志向のあるものでNot社会主義」をテーマのひとつにしていた『1984年』での独裁政権を語るうえでも関わってくる概念だったりして、この反転というか矛盾というかも気になってしまう。ちなみに関連して『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』は本当にいま読むべき本なのでぜひ。何度も言ってるけど。
岩波書店
平等と効率の福祉革命
9784006004514
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784006004514
文庫。岩波のフェミニズム関連文庫が定期的に出てますね。2011年に単行本、2016年にオンデマンドで復刊、からの文庫化のもよう。”キャリアとジェンダー平等を追求する女性と、性別分業に従う女性との間で広がる格差。価値観・学歴の似た者同士が結婚する結果、世帯間の格差が増幅し、社会の効率性が下がり、さらには世代を越えて格差が継承されてしまう。どうすればこの流れを転換することができるのか”。これは気になるよね……難しそうだけど……。
中央公論新社
モノクロの夏に帰る
9784120055515
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784120055515
額賀澪さん新刊。戦争を題材にした小説で、夏にかけての時期なのでさもありなんではあるが、額賀さんなら下手なものは書いてこないでしょう、という信頼はある。しかしいただけないのは紹介文のラストにある「感動」という文言。いらないんですよね、これ。作成者が営業部なのか担当編集なのかはわかりませんが、戦争もので「感動」という文言を安易に使えてしまうことの無頓着さというかなんというかは感じますよね。むしろ逆効果なので入れないほうがいい。”平和を祈る気持ちが、小さな奇跡を呼ぶ。 読み終えたとき、少しだけ世界が優しく見える感動の青春小説”で十分に伝わるんだから。
青土社
あえて左翼と名乗ろう
9784791774852
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784791774852
いろいろな本で言及されるジジェクの新刊。そろそろ1冊くらい読んだほうがいい気がしてきた……。しかしこのタイトルはどうなんだろうか。原題に忠実なのだろうか……副題は「34の「超」政治批評」。
東京創元社
優等生は探偵に向かない
9784488135065
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784488135065
文庫。2022年本屋大賞翻訳小説部門2位の『自由研究には向かない殺人』の続編。
講談社
言葉の展望台
9784065283455
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065283455
三木那由他さん、待望の一般書です。春に出た『グライス、理性の哲学』などはほぼ専門書で、言語哲学の基礎が入ってないとついていくのに苦労する感じだったのですが、今回のは三木さんのそういった学者としての素養を下敷きにしたエッセイなので、多くの人が楽しく読めるはず。プルーフもあるようなので気になる本屋はぜひ。
講談社
とんこつQ&A
9784065283967
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065283967
今村夏子の新刊です。同時期に『こちらあみ子』の映画も公開なので、話題が増えそう。
河出書房新社
いぬ
9784309292007
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309292007/
岸本佐知子翻訳のショーン・タン絵本、新作は「犬」がテーマです。大好きです!!
KADOKAWA
私は幽霊を見ない
9784041124413
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784041124413
文庫。藤野可織さん。単行本の装丁が三好愛さんだったのだけど、今回は別の人で、西洋絵画っぽい感じになってます。書き下ろしも加えて少し増補してるみたいです。たのしみ。
リイド社
生活保護特区を出よ。 1巻
9784845861316
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784845861316
これはlighthouseのお客さんには読んでもらいたい1冊。2巻も同時刊行なんだけど、終わりなのだろうか。確かに長く続くようなタイプのものではないから、数巻程度がちょうどいいとは思うけど。2巻は物足りなさがあるのでまだ続いてほしい。ウェブ連載で数話読めるのでぜひここからチェックを。
今週乗り切れば少し楽になるぞ……暑さもお仕事も……たぶん……。はやく『三体』読み直したいぜ……。