新刊チェック(23/06/18-24)
てんやわんや祭りが終わりません。先日、無事前夜祭のあたふたパーティーを終え、ただいま本祭てんやわんや、そしてこのあとは後夜祭であるしっちゃかめっちゃかの宴へと続きます。
現代書館
シモーヌ( Les Simones) VOL.8
9784768491089
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784768491089
”ジェンダーと深く結びついている音楽を「読む」ことで、私たちを抑圧するジェンダー規範を解きほぐしていく”ということで、今回の特集テーマは「音楽とジェンダー」。いわゆる「政治を持ち込まれるのが嫌」なジャンルランキング1位かもしれない音楽。かつて大学の軽音サークルで「アジカンの曲は好きだけどゴッチのMCは嫌い(政治の話するから)」みたいなこと言ってる人がいて頭を抱えた(アジカン、曲自体かなり政治的だと思うんだが……???)のをいつも思い出します。
文藝春秋
安倍晋三実録
9784163917139
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163917139
著者:岩田明子ということで、当然ながら批評性などない代物になっていることでしょう。”安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版!”と謳われていますが、食い込んだのではなく癒着したの間違いです。WAC出版とかから出せばいいのに、なぜ文春はこういうのに手を出すのか……。
新潮社
ぼくはあと何回、満月を見るだろう
9784104106035
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784104106035
”命が尽きるその瞬間まで、新たな曲を作りたい。世界的音楽家、最後の言葉。自らに残された時間を悟り、教授は語り始めた。創作や社会運動を支える哲学、国境を越えた多彩な活動、坂本家の歴史と家族に対する想い、ガンと共に生きること、そして自分が去ったあとの世界について――”。坂本龍一。やっぱり死に向けた準備はしてたんですね。とりあえず、神聖化するのではない方法で大切にしたいですね。
KADOKAWA
ゆれる
9784046056924
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784046056924
びっくりした。まさか凛として時雨のTKが本を出すとは……。これはもう完全に個人的な話なのでどうでもいいといえばどうでもいいんですが、学生時代に買ったテレキャスターがTKモデルで、でも凛として時雨みたいなプレイスタイルとはまったく違うものをコピーしていた(andymoriとかArctic Monkeysとか)のを思い出しました。ちょっと木目の見える白いボディのテレキャスがカッコよすぎ丸でして……でも最近になって気がついたんですが、私はベースのほうが得意のようです。同時に複数の弦を押さえるの苦手。
株式会社 福音館書店
エルマーのぼうけんセット(3冊)
9784834030709
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784834030709
”『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』のエルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作セット””「エルマーのぼうけん」シリーズの日本語版刊行60周年を記念して、ハンディサイズのソフトカバー版としてお届けします”。単品でも刊行(販売)するようなので、バラ売りも可能。なお、幼年期にほとんど本を読んでいなかった私は本書もたぶん読んでいません。派手な色の恐竜が出てくるやつという印象は持っていますが、それは教育テレビでよく見かけたがんこちゃん?も同じですし、ほとんどの恐竜コンテンツに当てはまるもののような気がします。そして竜(ドラゴン)と恐竜(ダイナソー)は別物なので、その時点でダメです。
株式会社アルク
英語の路地裏
9784757440173
https://saebou.hatenablog.com/entry/2023/05/20/165225
書誌情報がまったく出てこないので著者(北村紗衣さん)のブログをば。Amazonには情報が載っていたので、以下はそこからコピペ。”注目のシェイクスピア研究者、北村紗衣が、海外文学や洋画、洋楽を、路地裏を散歩するように気軽に読み解きながら、楽しくてちょっと役立つ英語の世界へとご案内。英語圏の質の高いカルチャーに触れながら、高い英語運用能力を得る上で重要な文化的背景が自然と身に付きます。“路地裏”を抜けた後は、“広場”にて著者自身が作問し解説する「大学入試英語長文問題」も堪能できる、ユニークな英語カルチャーエッセイ”。
文藝春秋
ハンチバック
9784163917122
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163917122
先日この記事を目にして気になっている1冊です。書誌情報ページには載っていないのですが、あらすじは結構キワキワ。”親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――”。今後の動きに注目しておきます。
講談社
文学2023
9784065319505
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065319505
毎年必ず「高い!!」と叫びながらも仕入れてしまうやつ、今年もきました。”2022年のあいだに各媒体に発表された全短篇のうち12作品を厳選”。4000円+税。
人文書院
ケアの哲学
9784409031230
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784409031230
”私たちは物理的身体だけではなく、データの集合としての自己を形成する象徴的身体を持っている。現代におけるケアを考えるとき、両方の身体を視野に入れる必要があるのではないか”。ケアの概念の拡張……かなり哲学寄りな1冊なので、難しいかも……。疼くぜ知的好奇心……(とやっぱり読めなくて積まれている本たちを思い出す……)。
人文書院
戦争から戦争へ
9784409031247
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784409031247
”ウクライナ戦争に至る原因が歴史を踏まえた広い視野で分析され、終戦への具体的提案が示される。フランスでの話題作、緊急翻訳””「事態は切迫している。この戦争は、人類が長いあいだ被ってきた他のすべての大きな危機――エコロジー的危機、経済的危機、文明の危機、思想の危機など――を悪化させる可能性がある。……世界大戦を回避しよう。もし世界大戦が起きれば、前回の大戦よりもさらにひどいものになることは間違いないのだ。」”。Jアラートが云々の報道が無批判になされて、戦争状態にあることが「無自覚のうちに」刷り込まれつつあるジャパンですからね。煽られないようにしましょう。
平凡社
思春期のしんどさってなんだろう?
9784582839289
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784582839289
「中学生の質問箱」シリーズ。今回は”友だち、学校、家、自分自身……中高生の悩みは「思春期」だから? それとも自分のせい? スクールソーシャルワーカーの著者が中学生の素朴な疑問から考える”ということで、著者は鴻巣麻里香さんです。差別・ヘイトを意図的にする人とか自己責任論冷笑系とかは、思春期のしんどさを引きずっているような気がするので、今後そういう人が増えないようにこういう本が読まれるといいなと思います。
NHK出版
別冊NHK100分de名著 フェミニズム
9784144072970
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784144072970
”「100分deフェミニズム」(2023年1月2日放送)が待望の書籍化! 『伊藤野枝集』『侍女の物語』から『心的外傷と回復』『男同士の絆』まで。豪華著者陣が名著の核心を読み解きながら、フェミニズムの真価を語りつくす。未放送のトピックも収載し、新たな取材も加えた決定版!”です。意義のある本だとは思いますが、放映時に「インターセクショナルな視点が足りない」というような指摘もあったものなので、そのあたりは各々で補完しつつ読むことを推奨します。意義のある本だからこそ、批評的姿勢も必要なのです……(「未放送のトピックも収載し、新たな取材も加えた」のところでアップデートがされてることを期待)。
フィルムアート社
スタンダップコメディ入門
9784845921379
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784845921379
”わかりあえない他者とわかりあうため 社会の矛盾と差別に抗うため 変わりゆく社会と分断のなかで コメディは一体何を表現してきたのか?””2021年フォーブス・アジアの選ぶ「世界を変える30歳以下の30人」にも選出されたスタンダップコメディアン、Saku Yanagawaによるスタンダップコメディの入門書”。キャンセル・カルチャーに対する言及がどのようなものなのかが気になりますが、期待の1冊ではあります。
今週日曜日(6/4)は軽音サークルのOBライブ的なものがあるのでお店はおやすみです。会場は神楽坂にある「神楽音」というライブハウスで、入場無料なので暇すぎて鼻毛が伸びて困る、という人はぜひ。私は羊文学のコピバンでベースを弾いているはずです。その翌日5日は大船の本屋・ポルベニールブックストアでイベント。6/16(金)は東京・分倍河原のマルジナリア書店にて、翌日17日は名古屋・金山のTOUTEN BOOKSTOREにて。いろいろイベント目白押しで、それに合わせてお店もおやすみです。いそがし屋さん……。