もともとKADOKAWAのことについて注意喚起しようと思ってましたが、とりあえず刊行は中止になったようなのでこのレター内では言及せず、別途記事立てしておこうと思います。出版業界におけるヘイト本と反差別、みたいなテーマになるかと。うまくいけば今日中に更新します。
新刊チェック(23/12/24-30に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます(特に今回は年末なので、年明け1/10以降の入荷になるものもあります)
大和書房
ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義
9784479394204
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784479394204
”本書は、10月20日京都大学、10月23日早稲田大学で開催された緊急セミナーに加筆修正を加えたものです”ということで、岡真理さんの講演をもとにした緊急出版本。動画が苦手な方はぜひこちらで。
亜紀書房
私の「結婚」について勝手に語らないでください。
9784750518268
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784750518268
韓国からの翻訳本。エッセイ。”本書には、非婚でも結婚でも事実婚でも同性婚でも、人それぞれの生き方を尊重し、みんなが穏やかで楽しく暮らせるための温かなエッセンスが満載”。先日のゼクシィの広告もそうですけど、気持ちの問題「だけ」にされるのは非常によろしくないので、きちんと法整備まで繋げていきたいところ(そのための入り口として「気持ち」に訴えるものがあってもいい。そこで終わってはならないけど)。
エトセトラブックス
マリはすてきじゃない魔女
9784909910219
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909910219
”『本屋さんのダイアナ』『らんたん』の柚木麻子、初の児童文学! マリにふりまわされながらも、町のみんなが自分のための魔法を見つけていく物語”。”よくあるトランスジェンダー物語に飽きているひとにもおすすめ”という三木那由他さんによるコメントもあるように、シスジェンダーだけの物語ではないようです。魔女がテーマ=女の子向け、というイメージをいかに払拭できるか。児童書担当者の意識が試される1冊かと。
新潮社
冬の日誌/内面からの報告書
9784102451205
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784102451205
文庫。ポール・オースターでまだ文庫になってないものあったんだ……という非常に雑な印象がファーストインプレッション(大御所作家あるある)。624ページもあるのを知ってオースターってそんなに分厚い本出すんだ……と思ったのがセカンドインプレッション。後者は誰か共感してほしい。
東京創元社
ミステリウム
9784488070885
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784488070885
文庫。”言語にまつわる死に至る奇病とは?水文学者を名乗る謎の男が現れてから町の墓地も図書館も荒らされ、人々が次々に死んでいく”ということでちょいと気になる奇想小説。なお、東京創元社の本はなぜか納品を忘れられることが多く、11月発売の本も何冊かまだ届いていません。奇想です。
フィルムアート社
彼女たちのまなざし
9784845923144
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784845923144
”対象をあえて女性のみに限定し、大勢の男性作家たちのなかにいる数少ない女性作家という図式をまずはいったん解体することから始めるというアプローチから、これまでの日本映画の歴史にひそむ性の不平等や権力の不均衡の問題にせまり、日本映画史の捉え直しを通して、新しい地図を描き出す”。フィルムアートからは『クィア・シネマ』も出ていたりするので、あわせて読みたいところです。
岩波書店
戦争語彙集
9784000616164
https://www.iwanami.co.jp/book/b636761.html
”「わたしの家も、この街も、置いていけばゴミになるの?」 「ゴミ」「星」「林檎」……戦争の体験は人が言葉に抱く意味を変えてしまった。ウクライナを代表する詩人が避難者の証言を聴き取り、77の単語と物語で構成した文芸ドキュメント。ロバート キャンベルが現地を訪ねて思索した手記とともに、自ら翻訳して紹介”。タイトルだけ見るとキーワード集的な本かと思ってしまうので、見逃し注意です。
朝日出版社
イギリスの忘れられた子供の本
9784255013589
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784255013589
”イギリスの児童文学にもイギリス文学史で言われる「キャノン(正典)」による「偉大な伝統」が形成されてきた。いわゆる「名作」の歴史である。それに対し、本書が目指すのはそれとは異なるもう一つの「イギリス児童文学史」の試みである。すなわち、「名作」として今日まで知られているもの以外に、どのような本が、どのような時代に、どれほど、どのように読まれたかが問いとなる”。かなり学術寄りなので研究社とか音羽書房鶴見書店かと思ったら朝日出版社でした。ちなみに研究社からは『現代イギリス小説の子どもたち』というのがこの週に出ます。揃えたのかな。いずれにせよ英文学専攻者としては気になってしまうのですが、読めるとは言っていません。積むことはできます。
青土社
この世界はどんな世界か? : パンデミックの現象学
9784791776146
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784791776146
”「経済の健康」のために「人々の健康」を犠牲にする暗黙の政治、生命を犠牲にしてまで市場の価値を重視する死の欲動に、われわれはいかにして対抗可能となるのか。先例のないウィルスの蔓延を奇貨として、呼吸、接触、多孔性といった身体に不変の性質を新たな世界感覚へと練り上げていく、パンデミックを通過した時代の哲学”。ジュディス・バトラー新刊です。
白水社
だれか、来る
9784560093979
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784560093979
”「彼」と「彼女」が辿り着いたのは、フィヨルドを臨む古びた家だった……。ノーベル文学賞受賞作家の代表作とエッセイ。詳細な訳者解説を付す”ということで、今年のノーベル文学賞を受賞したヨン・フォッセの初邦訳書です。思ったよりも早かったですね。
今週のお知らせコーナー
①12/17(日)〜19(火)の3日間、近畿・関西方面でイベントやります。17日は三重のHIBIUTA AND COMPANYさんにて、18日は奈良のほんの入り口さんにて、19日は京都の大山崎 COFFEE ROASTERSさんにて。それぞれリンク先にて確認をば。
②12/22(金)19時〜21時
『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす 正義の反対は別の正義か』(太郎次郎社エディタス)の著者・朱喜哲(ちゅ・ひちょる)さんをお招きして、当店にてトークイベントを開催します。お相手は私です。詳細の確認&申込はこちらから。イベントタイトルは「「みなでとりくむ命がけの挑戦」に参加するための足場を作る」にしました。これまで開催された本書の刊行イベントとは少し毛色というか角度が異なるものになると思うので、期待しておいてください。ハードルが高い。
③ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、10月いっぱいでTwitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
④12/10(日)に文フリ後夜祭みたいな感じで小さくブース販売の場を設定しました。柿内正午さんと、文化系トークラジオLifeとして山本ぽてとさんが来てくれます。ということで詳細がいろいろと決まってきました。17時あたりから詩人の水無田気流さんによるポエトリーリーディング、文化系トークラジオLife内の番外編Podcast「働き者ラジオ」にて楽曲を提供していただいている野井勇飛さんによる弾き語りミニライブ(時間未定)、などなどわけわからんくらい盛りだくさんになりそうです。しかもまだなにかあるかもしれないらしい……。下北沢・ボーナストラックでの日記祭とハシゴでぜひ。
⑤年明けの1/7(日)におでんの会を開催。今年の年初に牟田都子さんを無駄づかいしたとき同様、来年はひらいめぐみさんと百万年書房(の北尾さん)を無駄づかいします。営業時間中、おでん鍋をぐつぐつさせながらおふたりにブース販売をしてもらい、ひたすらだらだらする1日。こちらも詳細が決まったのでお知らせ。ひらいさんによる「転職お悩み相談会」も開催されます。ひらいさんの新刊『転職ばっかりうまくなる』(百万年書房)は予約受付中。12/10あたりの刊行です。
⑥年末年始のお休みは、たぶん12/30(土)〜1/5(金)まで。なお、今年も30日に東京マラソンコースをフルで歩く会が開催されることになったので、私の2023年の思い出はすべてこの日の出来事と筋肉痛によって上書きされます。
ポール・オースター、ちょっと笑いました。ページ数すごいですね^^;