昨夜、久しぶりにクロ現を見たら能登地震被災地のことが特集されていたのですが、番組の中でまったく「政治」というようなニュアンスのある言葉や存在が出てこなくて恐ろしかったです。当然、岸田を筆頭とした政治家も然り。現場の悲惨さと自助・共助で乗り切ろうとする姿勢ばかりが強調される様子は、ほかの報道よりも控えめだったような気もしますが、上層部が現政権の影響下にある以上、これが限界なのかもしれません。
体育館に雑魚寝なのはもちろんですが、やっと運び込まれた仮設トイレが和式で高齢者が使用を諦めていた様子が放映されていて、この時代に和式トイレしかないのやばいだろ……とあらためて思いました。政治・行政が予算をケチっているから安い設備しか買えないんだろうと思います。
まずは自分が住んでいる自治体に避難所運営はどうなるのかといったことを問い合わせてみることからやってみるといいと思います。先月のイベントでご一緒した大山崎 COFFEE ROASTERSの中村佳太さんは、情報公開制度を活用して議会の議事録などなどを公開する取り組みをしています(こちらがそのサイト)(経緯についてはこちらを確認)。これとあわせて行うと、市民からの質問にちゃんと答えているのかどうかという点もわかり、つまり議会がまともに運営されているのかどうかもわかり、いいことづくめなんじゃないかと。ちなみに、当店でも千葉市議会の議事録をお店の壁に貼り出すことにしました。とりあえず直近の……と確認したら2023年6月の定例会が直近で、その時点で不安……。今後も定期的に更新しますし、というかもっとこまめに議事録出してくれ、と頼みます(お店の並びに共産党市議の事務所があるので)。
新刊チェック(24/01/28-02/03に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
さりげなく
名付けたものどもを追う道筋を歩きながら、
9784910968025
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910968025
当店刊行の『灯台より』関連でもお馴染みの仲西森奈、待望の新刊。全20巻予定のショートスパンコールシリーズ2巻目で、前作『そのときどきで思い思いにアンカーを打つ。』の続き。今回も辞書に使われてる皮っぽいあれが使われてますね。予約受付中。なお、今年中に当店でも仲西さんの本を刊行予定。たぶんタイトルは『ホームページ』。絶対にいいものになるので、絶対に生きのびたい。
幻戯書房
ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集
9784864882927
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784864882927
”ポリドリ『ヴァンパイア』ブームのさなか、1820~30年代にかけて発表された、ラウパッハ『死者を起こすなかれ』、シュピンドラー『ヴァンパイアの花嫁』など怪縁が織りなすドイツ・ヴァンパイア文学傑作短編集”。本家(のひとり)ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を先日読み終えたばかりなのでこちらも気になる。4200円+税は高いけど、幻戯書房のこの装丁は本棚に入れておきたくなりますよね。
彩流社
シャーロット・ブロンテ
9784779129308
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784779129308
『ジェイン・エア』で卒論を書いたのでやはりこちらも気になってしまう。”シャーロットが力関係、――家族内であれ、階級間であれ、男女間であれ――に常に関わり合っていたことと、シャーロットがこのようなことを探求した時の語り口の変化の策略を強調します。原典の頁ごとの言葉に丁寧に寄り添っている一方で、この本は、フェミニズム、文化的唯物論、ポストコロニアリズムという批評の観点によって、命を吹き込まれています”。以前一度やったきりとまってしまっているlighthouse文学ゼミをちょっとやり方変えて復活させたい。
書肆侃侃房
エドワード・サイード ある批評家の残響
9784863856127
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784863856127
”文学、音楽、パレスチナ問題など分野横断的に論じた批評家、エドワード・サイード。ポストコロニアル批評の先駆者として『オリエンタリズム』などの著作を残した。イスラエルによるガザへの軍事攻撃が激化。いまサイードの著作が読みなおされている”。私がサイードを知ったのも英文学の授業で、つまり文学批評はまっとうに生きていくうえで必要なことのひとつなんですよね。文学軽視は本当にまずい。みなさんも各々でゼミやりましょう。
河出書房新社
国境と人類 文明誕生以来の難問
9784309229102
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309229102/
”難民、パンデミック、気候変動……すべては国境問題につながる。人類にとって「国境」とは何か。古代の戦跡から、パレスチナ、トランプの壁、解ける氷河まで、歴史的転換点の現場で考える”。だいぶ前に読んだ『都市の誕生』をなぜか思い出しました(品切重版未定かよ!近いうちに文庫化、の前兆だったらいいな!)。
新潮社
この村にとどまる
9784105901929
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784105901929
クレストブックス。”北イタリアチロル地方、ドイツ語圏の一帯はムッソリーニの台頭によりイタリア語を強制され、ヒトラーの移住政策によって村は分断された。母語を愛し、言葉の力を信じるトリーナは、地下で子どもたちにドイツ語を教え、ダム建設に反対する夫とともに生きてゆくのだが……”。今週は文学作品に気になるものが多いですね。
さいかす
グラフィック・メディスン® issue1 特集:未訳GM作品の世界
9784866680200
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784866680200
”医療とビジュアルアートを結びつける雑誌グラフィック・メディスン®の創刊号”。”海外マンガから日本の抱える医療課題をメタ認知する試み”ということで、今号ではアルツハイマー/ 認知症、がん、高齢化(介護と「終活」)、ダウン症、更年期障害、摂食障害などが取り上げられているもよう。こういうアプローチ方法があるんですね。創刊準備号も同時刊行とのこと。どっちも仕入れてみます。
岩崎書店
すきなあの人
9784265091638
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784265091638
”憧れの完璧な同級生、最高の答えを出してくれるバーチャルアシスタント、迷いのないすてきな男の子、おばあちゃんの恋。多様性をテーマに『すきな人』を描く4つの物語”。著者は神戸遥真、令丈ヒロ子、少年アヤ、こまつあやこの4人。学校図書館とかにたくさん入ってほしいですね。こういうのは大人に読まされるのではなく自分で読むことによって意味が生まれるものだと思うので。
晶文社
話が通じない相手と話をする方法
9784794974099
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794974099
テーマ的には仕入れたい本なんですが、著者のひとりジェームズ・リンゼイはいろいろと問題含みな人物なので……(『「社会正義」はいつも正しい――人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』の著者ですし……)。こういうテーマでほかに良書があるならそれで代替したいですね。情報求む。批判的に読みたい方は取り寄せ注文よろしくです。1/12追記→晶文社のnoteで監訳者による批判的解説がされていました。一読をば。
CCCメディアハウス
悲しみ・無気力・失望を乗り越えるセラピー ブルーな気持ちの処方箋
9784484221144
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784484221144
”著者特有のユーモラスなアプローチと例・ストーリーを通じて、「ブルーな気持ち」に対処するための強力な戦略を提供していきます”。同著者の『考えすぎてしまうあなたへ』が当店では定期的に売れています。あとは『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』も類書かも。
かもがわ出版
地下鉄で隣に黒人が座ったら
9784780313147
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784780313147
”韓国で「今年の本」の1冊に選ばれた漫画エッセイを翻訳。マイノリティの人々を知らない間に傷つけていませんかー。無自覚な差別歴言動「マイクロアグレッション」。その体験を柔らかいタッチで伝え、ともに考える韓国発の漫画エッセイ”。『ダーリンはネトウヨ』同様に、ある種の入門書として好適かもしれないですね。
晶文社
図解 はじめて学ぶ 数学のせかい
9784794973610
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794973610
”紀元前から多くの天才を魅了してきた数学のふしぎ。そのなかから幅広いトピックをとりあげ、楽しいイラストで解きあかす入門書”。数学が本当にダメだったので、この手の「数学入門書」をみかけるとすぐに仕入れてしまう(算数は好きだった)。実際の入門時期は未定です。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・1/21(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回は特別編で、課題本は『孤独の本質 つながりの力』です。英治出版が企画&運営をしてくれます。詳細は画像にてチェック!参加申込はこちらからも可能です。
・1/28(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『献灯使』です。詳細はこちらから。
②先日1/7(日)におでんの会を開催。ひらいめぐみさんと百万年書房(の北尾さん)のふたりに営業時間中、おでん鍋をぐつぐつさせながらおふたりにブース販売をしてもらい、ひたすらだらだらする1日を過ごしてもらいました(最もだらだらしたのは私であるという説がありますが)。今年は調子に乗ってもう1日やります。次回は2/3(土)、ゲストは高島鈴さんです。みなさま、この日ばかりは布団の中から出てきておでん鍋のまわりで蜂起をお願いします。詳細は決まり次第お知らせします。
③映画『ガザ・サーフ・クラブ』の上映会を開催します。日程など調整中ですが、いまのところ2/12(月・祝)が第一候補です。価格は2000円で、そのうち500円はパレスチナ関連と能登地震関連の寄付にまわす形にしようと思います。こちらも詳細決まり次第お知らせします。
④10月に開催した友田とんさんとのイベント、テキストアーカイブの販売を開始しました。理想はイベントから1ヶ月以内なんですが、なかなかすぐにはできずにだいたい2ヶ月くらいはかかる感じになりそうです。
⑤ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑥ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、10月いっぱいでTwitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
おでんの会、おかわり!!
あいよ!!
って感じですね。