新刊チェック(24/02/04-10)&お知らせ
今日もお知らせたくさんあるので最後まで読んでいってもらえるとありがたや〜、です٩( ᐛ )و
新刊チェック(24/02/04-10に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
みすず書房
「まちライブラリー」の研究
9784622096481
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784622096481
”著者が提唱し、個々の人が運営して全国に約1000カ所に形成された「まちライブラリー」。開始から10年の今、その運営、利用、支援の立場から活動を考察する”。みすず書房で3000円以下だと!?という感情が中身のことよりも先にやってきてしまう職業病が悲しい。本を買う余裕がどんどんなくなっているのをひしひしと感じる日々なので、もう「まちライブラリー」的な場所にしてしまおうかしらん、という思いも冗談じゃなく生じている。本屋であることを続けるためには、本を売ること以外の手段で生計を立てねばならない。むしろそのほうが健全な本屋運営ができるので、実はマイナスな話ではないんですよね。なんか面倒になって放置しちゃってる雑用とかを片づけるお仕事ください。
里山社
〈寝た子〉なんているの? 見えづらい部落差別と私の日常
9784907497200
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907497200
”関西の被差別部落出身で解放運動をする両親のもと、東京の部落ではない町で生まれ育った著者。家では両親から「差別に負けるな」と言われ、外では「部落なんて知らない」と言う友人たちに囲まれ、混乱しながら自分なりの部落差別との向き合い方を探り大人になる。やがて2児のシングルマザーとなった著者は子どもに、ママ友に部落をどう伝える!?”。部落差別についての本がお店になかったので、その入門的な意味合いも込めてエッセイで読めるのはありがたいですね。予約も受付中です。
書肆侃侃房
逸脱のフランス文学史
9784863856134
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784863856134
”レーモン・クノーやジョルジュ・ペレックらによる前衛的な実験文学集団「ウリポ」。言語に秘められた潜在的可能性を追求した彼らの営為を研究してきた著者が、「ウリポ」の視点からフランス文学史を新たに捉え直す。古典から現代作品まで25の名作でたどるフランス文学案内”。今年は『トリストラム・シャンディ』を読むので、実験文学的なものにはアンテナがのびています。新刊チェックニュースレター小説というものを書いてみたい。
河出書房新社
優しい暴力の時代
9784309467955
https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309467955/
文庫。”いま韓国で「時代の記録者」といわれる屈指の作家による、代表作となる短篇集。絶望も希望も消費するいまを生きる人々の、生活の鎮魂歌”。装丁がすごい好き。単行本版のもよかったから悶えてしまうね。
新泉社
ロ・ギワンに会った
9784787723222
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784787723222
”単身ブリュッセルに流れ着いた20歳の脱北者ロ・ギワン。希望を見いだせず、自分を否定する日々を送っていた放送作家の「わたし」は、雑誌で出会ったギワンの言葉がきっかけで、彼の足跡を辿る旅に出る”。今年配信で映画もやるようです。韓国文学の装丁ってなんかそれっぽさがありますよね。これもその系統かも……。
朝日新聞出版
戦国時代のタイムライン
9784022519528
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784022519528
”「『いま風』だけど中身は本格」。もし戦国時代の武将たちがSNSをやっていたら? 応仁の乱、本能寺の変、関ヶ原の戦い……第一級の戦国ドラマをスマホ画面で振り返る、新時代の学び直し本”。NHKでやってた家康がどうとかのやつが面白かったんだけど、それと同じ?歴史本は面白がるだけじゃなくてきちんと史実を踏まえないとならないので、そのあたりは要注意なんだけど、入口としてはこういう1冊があってもいいよね、とは思います。
美術出版社
中世ネコのくらし 装飾写本でたどる
9784568105759
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784568105759
”本書は中世ヨーロッパが所蔵している中世の装飾写本のなかから、ネコが描かれた美しいページとともに、中世のネコの生活の様子や、物語のネコが登場する逸話をご紹介します”。これは……あかんやつや……えも言われぬよさが詰まりに詰まっている……。
集英社インターナショナル
死なないための暴力論
9784797681369
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784797681369
”「暴力反対」とはよく聞くけれど、じつは世の中は暴力にあふれている。国は警察という暴力装置を持っており、問答無用で私たちから徴税する(そして増税する)。資本主義は、私たちを搾取し、格差を生み出す。家父長制は男性優位・女性劣位のシステムをつくりあげる。一方で、こうした暴力に対抗して、民主化や差別の撤廃などを成し遂げてきたのも、また暴力である。世の中にあふれる暴力には、否定すべきものと、肯定せざるをえないものがあるのだ。世界の思想・運動に学びつつ、思考停止の「暴力反対」から抜け出し、倫理的な力のあり方を探る”。アナキスト森元斎の新著。多くの者の中にある「アナキズム=暴力的でやばいやつ」というイメージを覆さないとこの社会はどうにもならんと思うので、こういう本を公園とか駅とかに落としていく活動をしたほうがいいのかもしれない……。そうか、これこそ「まちライブラリー」なのではないか。これはみんなに読んでもらいたい、と思う本を自宅本棚に埋もれさせておくのではなく、路上に開放/解放する……。読みたい人は拾って読むし、お金に困ってどうしようもない人はそれを古本屋に売ればいい。アナキズム=相互扶助の極みや……。
文藝春秋
K+ICO
9784163918037
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163918037
”ウーバーイーツの配達員をしているK。TikTokerをしている女子大生のICO(イコ)。巨大な「システム」の中に生きる二人の人生が交錯する時、何かが動きはじめる”。まさに現代な組み合わせの小説ですね……。ちなみに私はどっちも性に合わなそうなことが判明したのですぐに手を引きました(つまり試したことはある)。
小学館
えをかくふたり 1巻
9784098531394
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784098531394
『ゆうれい犬と街散歩』『僕のちっぽけな人生を誰にも渡さないんだ』などの中村一般、連載漫画の1巻目です。”絵を描く人間と、絵を描くAIのお話”。無駄に広いスペースを(意地で)展開し続けている本屋lighthouse漫画コーナーの売上を爆増させる1冊になってほしい。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・1/21(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回は特別編で、課題本は『孤独の本質 つながりの力』です。英治出版が企画&運営をしてくれます。詳細は画像にてチェック!参加申込はこちらからも可能です。
・1/28(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『献灯使』です。詳細はこちらから。
②先日1/7(日)におでんの会を開催。ひらいめぐみさんと百万年書房(の北尾さん)のふたりに営業時間中、おでん鍋をぐつぐつさせながらおふたりにブース販売をしてもらい、ひたすらだらだらする1日を過ごしてもらいました(最もだらだらしたのは私であるという説がありますが)。今年は調子に乗ってもう1日やります。次回は2/3(土)、ゲストは高島鈴さんです。みなさま、この日ばかりは布団の中から出てきておでん鍋のまわりで蜂起をお願いします。詳細はこちら→https://books-lighthouse.com/portfolio/oden240203/
③映画『ガザ・サーフ・クラブ』の上映会を2/12(月・祝)に開催します。12時〜15時/16時〜19時の2回で、それぞれ上映後1時間ほど店内にて自由に過ごす時間を設けます。価格は2000円で、そのうち500円はパレスチナ関連と能登地震関連の寄付へ。詳細&申し込みはこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/gazasurf240212/
④2024年2月23日(金・祝)の18時〜20時、ジョン・ファンテ『塵に訊け』刊行記念イベントを開催します。訳者・栗原俊秀さんをお招きして、「イタリア系アメリカ移民二世」というファンテの出自をフックにしてお話をしてもらいます。聞き手は私。がんばります。詳細&申し込みはこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/askthedust-240223/
⑤ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑥ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、10月いっぱいでTwitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑦2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。