新刊チェック(24/02/11-17)&お知らせ
昨日からジムに通い始めました。80近くなっても元気に野球やってるじいちゃんたち見てたら羨ましくなったので、体力をつけようと思いまして。とはいえ冬は寒いし夏は暑い、春は花粉だし秋は眠い、となると外を走ったりするのは初心者には無理の助、絶対に続かんぞ!という自信があるので屋内で動けるジムで。シャワー浴びて帰ってくればガス代も浮くしな!(賃貸のプロパンガス高すぎ!)というのも私の背中をぐいぐい押しました。今夜も行きます。えらいからおやつください。
新刊チェック(24/02/11-17に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
北大路書房
ニューロマイノリティ
9784762832475
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762832475
“ニューロマイノリティとして生きている子どもたち,いわゆる「発達障害児」の体験世界を,「内側から理解する」という視点から多様な著者らが多角的に描き出す”。小川公代さんがウルフとワーズワスをテーマに1章寄稿しているのが個人的には気になる。
筑摩書房
さびしさについて
9784480439390
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480439390
植本さんと滝口さんの自費出版本『ひとりになること 花をおくるよ』が筑摩で文庫化されるという、そんなことあるんだ〜とそりゃそうよね〜の両方を想起させるお知らせが……。しかしZINEが文庫化……夢がある話だ……私のZINEも文庫化してくれ、と思いましたがすでに文庫でした。今度からはまずB6サイズとかで出して、それを自分で文庫化すれば「祝・文庫!」ってやれるんですね。夢がある話です。そんなことより植本さんの『こころはひとりぼっち』とあわせてぜひ、という話をしたほうがいいわけですね、本屋としては。
筑摩書房
本は眺めたり触ったりが楽しい
9784480439321
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480439321
文庫。『優雅な生活が最高の復讐である』などの翻訳もしている青山南の読書エッセイ。タイトルもマジでそうよね〜、と思う一方、買うまでが読書です系のことができるのはそれだけの各種余裕があることの証で、社会≒政治の状況が悪化していくのをどうにかしないうちはその余裕は失われていく一方だということも、あらためて意識しておきたいところですね。本屋がなくなるのは本と本屋がつまらないからではなくて、我々のお金や時間や心身の余裕がなくなっているからです。以上。定期ポストでした。
筑摩書房
他者といる技法
9784480512222
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480512222
文庫。“マナーや陰口等、他者といる際に用いる様々な技法。そのすばらしさと苦しみの両面を描く。「生きる道具」としての社会学への誘い”。著者の専門は言語哲学系のもよう。という縁からか、解説は三木那由他さんですね。
宝島社
カープ坊や お部屋ライトBOOK
9784299043689
https://tkj.jp/book/?cd=TD043689
スリッパや快眠マクラでお馴染みの宝島社グッズシリーズ、ついにカープ坊やにまで手を出しました。最近このお部屋ライトシリーズがよく出るな〜と思っていましたが……。配本で勝手に入ってきてしまうチェーン書店だと、基本的にこの宝島社の「本じゃねえ!」シリーズはお店の棚を圧迫する&売れないことが多い&返品段ボールのスペースを占領する……etcと、正直困ったもんだね商品でしかないんですが、時折こういうピンポイントで個々の欲求を刺激するものをぶち込んでくるので、憎みきれないところがあります。ちなみに翌日にはコジコジのも出るみたいです。
NHK出版
アナーキー経営学
9784140887158
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784140887158
新書。タイトルに惹かれて確認したら“二郎系ラーメンやフグ釣り漁船から、寺社のサイドビジネス、転売ヤー、そしてネットワークビジネスまで――。会議室の外で生まれる「野生のビジネス」を経営理論で読み解くと、思わぬ合理的戦略が見えてきた”という感じで、期待していたのとは違うというか、「アナーキー(アナキズム)」という言葉をこういう「常識外れ」「破天荒」「ぶっ飛んでるやばいやつ」みたいな意味合いで使われると困るというか、でも世間的にはそういう理解をされちゃってるよね、だから嫌なんだけど、といういつもの感情を引き出されたのでおこです、おこ。アナキズムは権力や権威からの支配を否定するもので、「常識外れ」「破天荒」「ぶっ飛んでるやばいやつ」とかはあくまでも権力・権威側からの視点でなされる評価でしかない……。そしてなによりも大事なのは相互扶助の精神だと考えているので、その観点がないのは非常に困る。しかし内容は真面目なやつなのかもしれないので、タイトルどうにかなんなかったの?というのがとりあえずの結論。
青土社
口の立つやつが勝つってことでいいのか
9784791775996
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784791775996
“どうしても理路整然とは話せない知人、酔うと後悔ばかり話し出す友人、洗面台で流されかけている小虫、授業中に夫の死を語りつづける先生……。弱いものたちのなかにこそ、陰影のある物語は生まれてくる”。著者は頭木弘樹。これはタイトルがよい。本棚に挿しておけばそれだけで意思を主張できるタイプの本。
現代書館
働く女たちの肖像
9784768459386
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784768459386
“2018年に都内の医科大学で起きた不正入試問題。医科大は「女性は医師になっても、出産などでやめてしまい、戦力にならない」と理由を述べたが、それは女性個人の問題ではなく、女性が仕事をやめなければ子どもを育てられないという社会構造的な問題である。では、「女性は戦力にならない」という基準はどのようにつくられていったのか? 男女二元制が強化された19世紀に焦点をあて、女子教育と当時の「メディア」であった絵画を振り返りながら、表象の社会的影響力を考察する”。『絵を見る技術』(こっちも店頭には在庫ありです)や『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』をセットで読みたい。
KADOKAWA
ね、この素晴らしき世界
9784047378230
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784047378230
ひらいめぐみ『踊るように寝て、眠るように食べる』の装丁イラストなどを担当している花原史樹のイラストブック。“ねこを描きつづけて、2222日”。私は二度寝をし続けて400日くらいが経ったはずです。
影書房
ボンジュール,トゥール
9784877144999
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784877144999
絵本。“フランスの美しい街トゥールに引っ越してきた12歳の韓国人の少年ボンジュ。引っ越し先の家の古い机には、「愛するわが祖国、愛するわが家族……生きぬかなければ」とハングルで書かれた謎の落書きが。学校では日本人トシと親しくなろうとするが、トシはなかなか心を開かない。やがてトシは、自分の本当の出自をボンジュに打ち明ける――。朝鮮半島の分断を背景に、二人の友情と別れを描く感動の物語”。いま『密航のち洗濯 ときどき作家』を読んでいるのですが、戦争とか植民地化とかはひたすら我々を引き裂くだけ引き裂いて、いいことなどひとつも残さないのだな、と思います。あと、レイシャル・プロファイリングについての裁判が始まることが今朝のニュースで上がっていましたが、警察の取り調べの起源にあるのも戦争や植民地化なのではないか、と『密航のち〜』を読んで思いました。レイシャル・プロファイリングについてのこちらの本は再入荷待ちです。
光文社
嫉妬論
9784334102241
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784334102241
新書。“それにしても、私たちはなぜこうも嫉妬に狂うのだろう。この情念は嫉妬の相手のみならず、嫉妬者自身をも破滅させるというのに――”。副題「民主社会に渦巻く情念を解剖する」とあるように、政治思想を軸にしつつ嫉妬について考える1冊のようです。個人的にもあらゆるよろしくないことの根本に嫉妬(を適切にコントロールできないこと)があると考えているので、気になる1冊。ちなみに当店刊行の文芸誌みたいなもの『灯台より』次号のテーマにも嫉妬は含まれています。
KADOKAWA
作りたい女と食べたい女 5巻
9784049153378
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784049153378
今号もまた電子書籍ストア(という名のアフィリエイト!!)に後日登録しますので、電子派の方はぜひそこから。紙版ももちろん仕入れますのでお好きなほうで。なお、KADOKAWAの本は入荷が2週間ほど遅れます。昨年秋頃から生じている倉庫トラブルがまだどうにもなっていないようです。たぶん大手取次への搬入経路は通常通りになっていると思うんですよね。小さいところは後回し的な感じ、非常に困る。現場の作業員の皆さまはお疲れさまです。無理のないペースで続けてくださいませ。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・2/18(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本、もといテーマは「芥川賞関連」とのことです。候補作でもいいらしいので、そうすると500作以上が対象……?今回は通常回なので、特に申し込みなどは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。
・1/28(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『献灯使』です。詳細はこちらから。
②先日1/7(日)におでんの会を開催。ひらいめぐみさんと百万年書房(の北尾さん)のふたりに営業時間中、おでん鍋をぐつぐつさせながらおふたりにブース販売をしてもらい、ひたすらだらだらする1日を過ごしてもらいました(最もだらだらしたのは私であるという説がありますが)。今年は調子に乗ってもう1日やります。次回は2/3(土)、ゲストは高島鈴さんです。みなさま、この日ばかりは布団の中から出てきておでん鍋のまわりで蜂起をお願いします。詳細はこちら→https://books-lighthouse.com/portfolio/oden240203/
③映画『ガザ・サーフ・クラブ』の上映会を2/12(月・祝)に開催します。12時〜15時/16時〜19時の2回で、それぞれ上映後1時間ほど店内にて自由に過ごす時間を設けます。価格は2000円で、そのうち500円はパレスチナ関連と能登地震関連の寄付へ。詳細&申し込みはこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/gazasurf240212/
④2024年2月23日(金・祝)の18時〜20時、ジョン・ファンテ『塵に訊け』刊行記念イベントを開催します。訳者・栗原俊秀さんをお招きして、「イタリア系アメリカ移民二世」というファンテの出自をフックにしてお話をしてもらいます。聞き手は私。がんばります。詳細&申し込みはこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/askthedust-240223/
⑤ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑥ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、10月いっぱいでTwitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑦2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。