新刊チェック(24/03/03-09)&お知らせ
確定申告作業を進めています。3500万円までならまとめて「書籍代」として記載すればいいようなので、今後3年分くらいの売上をまとめて申告しても大丈夫ですね。
個人的な解釈だと、相互扶助=アナキズムの観点からすると納税自体は悪くはないもので、むしろ積極的に払いたいくらいなんですが、税金を使って「公助」をするはずの存在がやるべきことをやっていないから、こちらは「払いたくない」と思うわけでして。
いい気持ちで確定申告ができる政治&社会を目指しましょう。
新刊チェック(24/03/03-09に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
作品社
町の本屋という物語
9784867930137
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784867930137
“鳥取の定有堂書店は、いかにして地域の文化拠点となり、日本中から本好きや書店員が足を運ぶ「聖地」となっていったのか。名店の店主が折に触れつづった言葉から、その軌跡が立ち現れる”。定有堂書店・奈良さんの著書になりますね。数年前に汽水空港に行ったときにこっちも寄れればよかったのだけど、タイミングが合わず。閉店は惜しいですが、40年以上も本屋をやっていたのだから、もう十分なんじゃないかとも思います。そもそも「本屋がなくなること=すべて悪いこと」ではないですし。
ビジネス社
完全図解 中東で起きている本当のこと
9784828426044
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784828426044
時事問題系の本には飛びつきたくなりますが、タイトルやキーワードだけで安易に飛びつくのではなく、出版社の傾向と著者の過去作なども含めて丁寧に情報を収集してから判断をしましょう。この本はわかりやすい例なのでピックアップしておきます。
早川書房
ここはすべての夜明けまえ
9784152103147
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784152103147
“2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった”。非常にハヤカワっぽいSF……気になる……。
生活書院
「名づけられない」病いの軌跡
9784865001679
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784865001679
“公的支援・保障の埒外に置かれる、希少未診断をはじめとする「名づけられない」病者・患者たち。多くの「生きづらさ」を抱える人々にとっての〈希望〉となることを信じ、当事者の語りから、その「生」のプロセスを記述する労作”。自分が何者か(=ラベル)がわからないことによる不安、と似たようなものなのかもしれません。ラベルを貼ることが常によいことであるわけではないけども、名付けがされることで安心することもまた確かで、そのような文脈からこの本を読むこともできそうです。なんとなく、ウルフが言っていた「横臥者(おうがしゃ)」という概念を思い出しました。病気にかかっているときの感覚は本人にしかわからず、いくらそれに耳を傾けたところで「理解」できるわけではない、というような話ですね。
303 BOOKS
ナガスギルイヌのながすぎるたび
9784909926333
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909926333
“びよーんと伸びた長い胴、くるんと巻いたかわいらしいしっぽ。グラニフの人気キャラクター「ナガスギルイヌ」が絵本になりました”。いつかおぺんもグラニフの仲間入りしないかな……。
岩波書店
トランスジェンダーと性別変更
9784002710907
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784002710907
“生殖不能の手術要件は憲法違反――長く放置されてきた人権侵害を是正するため、「性同一性障害特例法」の改正が求められている。いま私たちに必要な基礎知識とは何なのか。特例法が制定された背景から、法・医学・国際人権の知見まで、高井ゆと里、野宮亜紀、立石結夏、谷口洋幸、中塚幹也らエキスパートが解説する”。ブックレットなので薄くて安いです。『トランスジェンダー入門』などとあわせて読んでおきたいですね。予約もとり始めます。
筑摩書房
日本の物流問題
9784480076069
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480076069
新書。出版業界はずっと前から他人事ではない話題なのですが、そもそも労働問題であり人権問題である、という観点からも考えなくてはならないものですよね。どうしても取次が〜本屋が〜みたいなことばかりに思考が行ってしまうけども。
弘文堂
こども六法 第2版
9784335359903
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784335359903
“刊行から4年半を経て変化した法律も多く、その中には子どもにとって重要なものもあることから、今回のリニューアルに踏み切りました。刑法の大改正による性的同意、拘禁刑の新設、時効の延長に加えて新法「こども基本法」も加わり、24頁増えてパワーアップしています”。先日補充発注をしてしまったばかりなので、旧版は入荷次第私の本棚に入ります。
春風社
アンティコニ
9784861109133
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784861109133
“北米先住民ネズパース族の娘アンティコニが、ワシントンD.C.の博物館から祖先の遺骸を盗み出した、その顛末を語る現代の新たな神話――先住民と近代知(サイエンス)をめぐる暴力、囚われ、責任を、ギリシア悲劇の翻案によって描き出す”。最近また『ゴールデンカムイ』関連なのか「アイヌがわかる!」みたいな雑な書籍や雑誌がたくさん出ているんですが……。ということを思い出しました。訳者のひとり石原さんは近著で『アイヌがまなざす(仮題)』を刊行予定とのこと。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・2/18(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本、もといテーマは「芥川賞関連」とのことです。候補作でもいいらしいので、そうすると500作以上が対象……?今回は通常回なので、特に申し込みなどは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。
・3/24(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『雪の練習生』です。詳細はこちらから。
②2月29日(木)13時〜16時 本屋の本を売る本屋・ごーすと書房による出張販売をお店の前で開催します。ごーすと書房の詳細はこちらから。
③2月23日(金・祝)の18時〜20時、ジョン・ファンテ『塵に訊け』刊行記念イベントを開催します。訳者・栗原俊秀さんをお招きして、「イタリア系アメリカ移民二世」というファンテの出自をフックにしてお話をしてもらいます。聞き手は私。がんばります。詳細&申し込みはこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/askthedust-240223/
④3月2日(土)18:00〜20:30 本屋deライブハウス:ボギー&カシミールナポレオン(魔界)を開催します。この日は本屋ではありませんのでお気をつけください(不敵な笑み)。たぶん16時くらいまで通常営業で、そのあとはライブハウス仕様になります。詳細&申込はこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/bogggeykashnapo240302/
⑤ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑥ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑦2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。