新刊チェック(24/03/10-16)&お知らせ
月曜日から3日間、箱根・強羅のあたりにいました。気温・気圧・天気・標高…etc.と、あらゆる「差」に翻弄される休暇……。確定申告作業を途中までやって終わった気になっていたことを、いまさっき思い出す。それくらいなにもしない休日でした(しかしスネが筋肉痛、急坂の上下動はスネを鍛えてくれるようです……)。
新刊チェック(24/03/10-16に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
代わりに読む人
先人は遅れてくる パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3
9784991074363
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784991074363
“啓示を受けたように思いついた「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する」という言葉を、意味もわからぬままに実践しようと試みる連作エッセイシリーズ最新作”。たいへん長らくお待たせいたされておりました。私の首はキリンさんよりも長く、ゾウさんよりも太くなってしまっています。予約受付中。こういう本を読むことによって、私は活力を取り戻すのです……。公式には3月中旬の刊行となっていますが、直接取引のため少し早めに入ってきます。
筑摩書房
パレスチナ詩集
9784480439536
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480439536
文庫。“パレスチナに生まれ、亡命を生きた大詩人ダルウィーシュ。惨事と野蛮に抗し、実存的な主題として同地に向きあった。敗者の声を詩に結実させた絶唱”。先日「日本には詩をバカにする文化がある」というようなことへの考察がSNSで流れていましたね。言葉には(うまく言葉にならないときも含めて)切実なものがこもっている、ということを理解する者が増えるように、本屋を続けるのかもしれません。
筑摩書房
百年と一日
9784480439437
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480439437
文庫。柴崎友香。“映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、島、空港……様々な場所の人間と時間の不思議を描き話題となった新感覚の物語集。一篇を増補”。単行本が2020年の7月ということに慄く。まだ小屋なんだが……。
新泉社
パインと移民
9784787723048
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784787723048
副題は「沖縄・石垣島のパイナップルをめぐる「植民地化」と「土着化」のモノグラフ」。“多層的な「植民地化」のもとで社会的承認を獲得してきた移民1世、2世たちの苦闘の生活史と社会史を跡づける”。たとえばガザへのアパルトヘイトに抵抗するとき、我々「日本人」は沖縄に対する植民地化の歴史をなかったことにしてはいけないわけですね。
慶應義塾大学出版会
犬と会話する方法
9784766429411
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784766429411
まず前提として己を人間、相手を犬として考えないことです。「緊張感」はどんな相手にも伝わりますので、こちらがなんらかの「緊張」を持っていれば、相手も当然「壁」を拵えます。つまり犬にぺろぺろなめられるには、まず犬に「こいつはこちらに敵意がない」と思われる、言い換えればなめられる必要があるわけですね。これは私の自論であり、本書とは特に関係ないと思われます。
原書房
読めない人が「読む」世界
9784562074044
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784562074044
“「正常」な読み方なんてない。難読症(ディスレクシア)、過読症、失読症、共感覚、幻覚、認知症といったニューロダイバージェントな人々の読み方を歴史的にたどり、改めてとらえなおす「文字を読む」ということ”。言葉を扱う仕事をしているからこそ、他人事にしたくないですよね。もしかしたら自分もそうかもしれないし、それがわかることで生きづらさとか違和感とかに理由が見つかるかもしれないので。そもそも正常と異常を区別すること自体がナンセンスではあるのだけど。
書肆侃侃房
サメと救世主
9784863856165
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784863856165
“はじまりは1995年。ハワイ島に暮らすフローレス家は、「豊かな」生活を求めて、オアフ島を目指す。そのさなか、息子のナイノアが海に落ち、サメによって助けだされる。サメに救われた少年には、奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、あるいはただのイカサマか?”。先週チェック漏れてたんですが、書肆侃侃房からは『死んでから俺にはいろんなことがあった』も出るので、この数ヶ月特に気になる本が多いですね。海外文学を読み続けるだけの生活を送りたい。
小学館
あきらめる
9784093801294
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784093801294
山崎ナオコーラ新刊。“「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」――火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説”。「おりる」というのと隣接したテーマですね。『「おりる」思想 無駄にしんどい世の中だから』とセットで置きたいところ。
以文社
思想としてのアナキズム
9784753103829
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784753103829
今日入荷してきた『国境を越える日本アナーキズム』やちょっと前に刊行されている『死なないための暴力論』など、アナキズムが必要とされている時代になってきた(とアナキズムを研究・実践している者らは考えている)のでしょう。その通りだと思うので、どんどん拡げていきたい。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・3/31(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本、もといテーマは「矢野利裕の本」とのことです。『矢野利裕のLOST TAPES』『学校するからだ』などなど……。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・3/24(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『雪の練習生』です。詳細はこちらから。
②2月29日(木)13時〜16時 本屋の本を売る本屋・ごーすと書房による出張販売をお店の前で開催します。ごーすと書房の詳細はこちらから。
③〈明日です!〉2月23日(金・祝)の18時〜20時、ジョン・ファンテ『塵に訊け』刊行記念イベントを開催します。訳者・栗原俊秀さんをお招きして、「イタリア系アメリカ移民二世」というファンテの出自をフックにしてお話をしてもらいます。聞き手は私。がんばります。詳細&申し込みはこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/askthedust-240223/
④3月2日(土)18:00〜20:30 本屋deライブハウス:ボギー&カシミールナポレオン(魔界)を開催します。この日は本屋ではありませんのでお気をつけください(不敵な笑み)。たぶん16時くらいまで通常営業で、そのあとはライブハウス仕様になります。詳細&申込はこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/bogggeykashnapo240302/
⑤〈新規イベント〉5月11日(土)に山内尚さんと清水えす子さんをお招きしてイベントを開催します。詳細が決まり次第告知ページを作成&公開しますが、前半はお茶会(無料・自由参加)で後半はトークイベント(有料・要申込)の二本立てになる予定です。ということで、おふたりの新刊も予約を開始しています。『ノンバイナリースタイルブック』『シミズくんとヤマウチくん われら非実在の恋人たち』の2冊。同時刊行なのでセット販売もしています。ご都合に合わせてぜひ。店頭受取も可能なので、ご希望の場合はウェブストアは通さず直接連絡ください。3月下旬くらい刊行なので、次週のこのレターにてあらためて紹介します。
⑥ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑦ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑧2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。