新刊チェック(24/03/31-04/06)&お知らせ
1〜2ヶ月に1回程度で(こっそり)担当している日刊SPA!での書評が更新されていました。今回は山本圭『嫉妬論』(光文社)をば。これまでの担当回もここに一覧にしてみましたので、うっかりさんは踏んでみてください。少し時間がつぶせます。
新刊チェック(24/03/31-04/06に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
コトニ社
シュテファン・バチウ
9784910108162
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910108162
“そのときどきの政治状況によって生を危ぶまれ、自由と真実をもとめ闘いながら、生涯を誠実な言葉とともに旅すること(亡命)を選んだ詩人バチウ”。“世界の周縁に生きた彼を知るものはもはや数少ない。日本に数名、世界を見渡してもごくわずか。しかし彼の成し遂げた仕事の数々は、分断と衝突に満ちた私たちの時代へ、忘れてはならないことを教えている”。最近はこういう評伝、特に周縁に追いやられ「なかったこと」にされてしまいがちな存在のそれに私の意識が向いているようです。
COTOGOTOBOOKS
くるぶし
9784991331985
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784991331985
“町田康、初の短歌集。書き下ろし全352首を収録”。COTOGOTOBOOKSはちょっと変わった運営体系の本屋さんで、そこの出版部門からですね。ふだんは一般流通させない本のことが多いようですが、今回のはHAB経由でどの本屋にも納品可能とのこと。うちにもHABから入ってきます。
論創社
インティマシー・コーディネーター
9784846022709
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784846022709
“俳優がより演じやすく。監督がより演出しやすく。日本では数人しか従事していないインティマシー・コーディネーター。出演する側と制作する側のあいだに入り、おもに映画やドラマの性的シーンの内容について調整する。どんな人が従事し、その仕事の詳細とは”。日本における第一人者の西山ももこによる1冊。クドカンはまずこれを読むべきですね。
白水社
別れを告げない
9784560090916
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784560090916
ハン・ガン新作。“済州島4.3事件を背景に、いま生きる力を取り戻そうとする女性の友人同士の再生の物語”。やはりエクス・リブリスシリーズは装丁もカッコよくていいですね……。
白水社
名前が語るお菓子の歴史
9784560092873
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784560092873
“伝統と革新が織りなすフランス菓子に「名前の由来」からアプローチ。美しい名に隠された意味を知れば、お菓子がいっそう味わい豊かに”。津田沼のイトーヨーカドーが9月で閉店とのことで思い出したのは、新津田沼駅改札すぐにあるビアードパパは大丈夫なんだろうか、なくなってしまわないだろうか、ということでした。以上、全然関係ない話でした。
産経新聞出版
IRREVERSIBLE DAMAGE
9784819114349
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784819114349
こちらは例のトランスヘイト本ですが、4/3付で産経新聞出版より刊行予定です。正確には発行元が産経、発売元が日本工業新聞社ということになっていますが、いずれにせよ産経グループです(業界的な慣習として、このように発行と発売が分かれることはよくあります)。正直、KADOKAWAのときと違って今回は出版取り止めになることはないと思います。ふだんから(目立たないだけで)そういう本を出しているところですから。こうなるともうSNSでの反対運動は、もちろん意味がないわけではないけど、インプレッション稼ぎ含む「注目を浴びた者勝ち」のフェイズに入ってしまったとも言えるので、違う抵抗の仕方をとったほうがいいかもしれません。そういう観点からも、先日『トランスジェンダーと性別変更』が刊行されたのもよかったと思います。こっちのほうが安いし薄くてすぐに読めそうだから、「まずはこれを読んでほしい」がしやすいので。電子書籍も刊行済みなのがさらによいですね。すぐに行動に移せる、というのは大事なことなので。
合同出版
境界知能
9784772615587
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784772615587
副題「教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち」。本来は福祉の観点から丁寧に扱わなくてはならない言葉や定義、そしてそれらに先立つ存在そのものが、ネットミーム的なものに回収・簒奪されてしまう現象がよく起きています。精神障害や知的障害系は特にその傾向があるように思えますし、反差別反ヘイトや政治批判の文脈においてもこれらを侮辱の意味合いで使っている光景がよく見られます。やめましょう。端的に最悪ですので。
集英社
ふつうの軽音部 1巻
9784088840192
https://shonenjumpplus.com/episode/16457717013869519536
主人公がandymoriが大好き、ということで私のための漫画なのですが、アロマンティック/アセクシュアルのような登場人物がいたりと、今後の展開にも期待大な作品です。タイトルがいいですよね。「ふつうの軽音部」にも「ふつうに」いるってことなので。
ちとせプレス
こころのやまいのとらえかた
9784908736360
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908736360
“「治すべきもの」「症状」ととらえられがちな「こころのやまい」。1つの現象としてとらえてみると,その振る舞いや取り巻く動きに視野が広がってゆく。こころのやまいに関心を寄せる心理職,大学院生・学部生,一般の方に”。心理学系の専門書をよく出している出版社ですが、今回は一般向けにもいけそうな気がしたので。
UEMON BOOKS
ちいさい舟
9784911193013
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784911193013
京都の本屋・絵本のこたちが出版部門も始めました。第1弾は店主が制作に関わる絵本から。“時々不意に現れる災害の痕跡と、当時の暮らしに思いをめぐらし、語り継がれる物語と忘れ去られる物語の続きにある今日をまた、生きようと思うのです”。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・3/31(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本、もといテーマは「矢野利裕の本」とのことです。『矢野利裕のLOST TAPES』『学校するからだ』などなど……。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・3/24(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『雪の練習生』です。詳細はこちらから。
②〈新規イベント〉4月13日(土)に「おでんの会×スナック社会科」を開催します。日中はおでん&スナック社会科のブース販売、夕方以降にトークイベントを企画中。詳細確定次第お知らせします。トークイベントは17時から20時まで(店頭&配信・アーカイブあり)。登壇者は宮越里子さん、BARBARA DARLINgさん、司会にサトマキさんを予定しています。
③5月11日(土)に山内尚さんと清水えす子さんをお招きしてイベントを開催します。詳細とトークイベントの参加申込はこちらから(お茶会は自由参加です)。おふたりの新刊も予約を開始しています。『ノンバイナリースタイルブック』『シミズくんとヤマウチくん われら非実在の恋人たち』の2冊。同時刊行なのでセット販売もしています。ご都合に合わせてぜひ。店頭受取も可能なので、ご希望の場合はウェブストアは通さず直接連絡ください。
④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑤ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑥2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。
⑦4/1(月)から4/8(月)まで、タイに行ってきます。お店はその間おやすみ、ウェブストアの発送作業もストップします。本屋lighthouse始まって以来、初の長期休暇。おやすみ明けの仕事の溜まりっぷりがいまから怖い。しかし私は怖いもの見たさの塊なので、特にウェブストア購入分の発送がどちゃくそ溜まっていることを期待しています。