新刊チェック(24/04/07-13)&お知らせ
4月は臨時のおやすみがいくつかあるので、ここらでまとめておきます。私が忘れそうなので。
・1日〜8日までタイにいるため、お店は3日(水)から7日(日)までがおやすみです。10日(水)から通常営業復帰です。
・20日(土)は西千葉ハローガーデンにて開催の「Nishi-chiba book garden」に出店のため、幕張のお店はおやすみ。11時から15時30分までなので、夕方17時くらいから幕張も開けるかもしれません。元気だったら開けます。
・21日(日)は11時〜15時くらいの短縮営業になります。夕方から羊文学のライブがあるので……。
あと、今年中に営業日を少々トランスフォームする予定です。
水木を予約営業的な感じにして、予約のない時間帯はお店の中(PC作業)または近辺で出稼ぎを……というイメージでいますが、どうなるかはわかりません。
売上は低下しつつもどうにか私ひとりは生きていける、くらいをキープはしているのですが、そろそろライフスタイルの変化もありそうな時期、というかいずれ体力的に無理が効かないお年頃にもなっていきますので、長い時間をかけて無理をしないでいい形態に移行していかねばならんのです。
「仕入れた本を売る」ことで得る利益だけでは無理が生じてくるのは本屋開業前からわかっていたことで、これまでは「どこまでやれるのか」の実験をしている時期だったわけです。
ここで「だからうちで本を買ってください」と言ったところで、それでは他店から一時的にパイを奪うだけにしかならず(本が売れないのはずっと前から「業界の問題」ではなく「貧困(=政治)の問題」だから)、それでは解決にもならないしうれしくもないので、本が無理して買われることなくお店が無理なく運営できる方法を見つけたい。
では具体的になにを、というのはまだ考え中なのですが(なにかやってもらいたいお仕事があればまわしてくださいな〜)。
急に大事な話をするスタイルでのお知らせでした٩( ᐛ )و
新刊チェック(24/04/07-13に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
平凡社
母娘短編小説集
9784582769647
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784582769647
平凡社ライブラリー。“連帯、葛藤、愛、裏切り──時を超え、世代を超えて繰り返される「母の娘」と「娘の母」の物語。19世紀末から20世紀末、アメリカの女性作家によって書かれた傑作9篇”。『クィア短編小説集』『レズビアン短編小説集』とかとシリーズ的な位置付けだと思います。
共和国
大邱の敵産家屋
9784907986865
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907986865
“韓国第3の拠点都市・大邱(テグ)。「たいきゅう」と呼称された日本の植民地時代、詩人の森崎和江が生まれたことで知られるこの都市の一隅では、いまも「敵産家屋」(日本式住宅)が、幾度かの修復を経て商店や町工場として保存され、活用されている。数々の現地でのフィールドワークを通して、コミュニティや市民運動の拠点としてこれらの「家屋」を利用しつづける人びとの肉声を拾いあげ、戦中~戦後にいたる韓国現代史に位置づける試み”。重要書籍です。なお、共和国の本は毎回「本体○○円+悪税」というような表記がされているので最高です。ほかには酷税とかもありましたね。
春風社
外国人住民が団地に住み続ける意味
9784861109621
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784861109621
“外国人住民がなぜX団地を選ぶのか、住み続けることを選ぶのか。外国人住民へのアンケート調査および、外国人住民、自治会、支援団体へのインタビュー調査にもとづき、来日の経緯、日本での生活実態、地域社会への参画生活、母国とのつながり、子どもの教育、コロナ禍での生活などの項目に分け、詳細な分析を行う”。ネット上の愚かな言説ではなく、このようなまっとうな調査による「実際」を、どのようにして一般的な認知にまで広げられるか……というのが課題のひとつだと思います。この本もいわゆる研究書扱いで、ほとんどの書店には並ばないと思うので。
書肆侃侃房
人殺しは夕方やってきた
9784863856219
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784863856219
“山の中でたった一人、壮絶なサバイバル闘争を繰り広げる女性を描いた長篇小説『壁』で、世界を震撼させたマルレーン・ハウスホーファー。多くのフェミニスト、作家たちに影響を与えた彼女の、知られざる短篇小説名作集がついに邦訳”。タイトルだけ見ると東京創元社のミステリかな?と思いましたが、やはり書肆侃侃房的なスタンスの1冊でした(最近の私の積読、『埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち』と相性がよさそう)(積読なのにおすすめする)(これが本屋の仕事……)。
筑摩書房
結婚の社会学
9784480076144
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480076144
新書。“結婚の歴史を近代から振り返り、事実婚、パートナーシップなど、従来のモデルではとらえきれない家族のかたちを概観する”。根本的な問題は「婚姻関係にある者のみが優遇される制度」がこの国(というか全世界)にあることなので、最終的には誰と一緒にいようがいなかろうが婚姻関係にあろうがなかろうが等しく権利が保障される社会を実現すべきなんですよね。じゃあなぜ「異性間の婚姻関係」のみが優遇されるかというと、そのほうが「国家」にとって都合がいいからなのですが……。
筑摩書房
人生のレールを外れる衝動のみつけかた
9784480684820
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480684820
新書。“「将来の夢」「やりたいこと」を聞かれたとき、なんとなくやり過ごしていませんか? 自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すための道標がここにある”。人生のレールを外れた結果として本屋をやっているようなものなので、この本はいい本です。
講談社
コーヒーにミルクを入れるような愛
9784065351949
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065351949
くどうれいん、新作エッセイ集。サイン本を数量限定で予約受付中です。店頭受け取り希望の場合はメール(books.lighthouse@gmail.com)や店頭にて。ほぼ同時期に文庫版『虎のたましい人魚の涙』も刊行予定。こちらもサイン本にて予約受付中です。
講談社
休むヒント。
9784065350683
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065350683
“働き方改革時代、ワークライフ「アン」バランスなあなたに贈る、休み方の処方箋(エッセイ・アンソロジー)”ということで、文芸誌『群像』に連載されていたものをまとめた1冊です。ちなみに私はお客さんの気配がないときは奥の部屋で寝てます。
創元社
デレク・ジャーマンの庭
9784422731452
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784422731452
“映像作家デレク・ジャーマンの詩的でクィアな庭づくり”。“1994年、AIDSでこの世を去った映像作家のデレク・ジャーマン。彼は晩年、イギリス南東部の最果ての岬、原子力発電所にほど近いダンジネスに移り住む。死の直前まで慈しみ育て続けたプロスペクト・コテージの庭は、いつしか彼の生と死を映し出し——”。浅学なのでこの人のことをまったく知らなかったのだけど、非常に気になる1冊。ソルニット『オーウェルの薔薇』ともつながるか。
ヘウレーカ
それはわたしが外国人だから?
9784909753175
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909753175
“難民、紛争などの取材・発信を続けるフォトジャーナリスト安田菜津紀が、日本の入管政策に翻弄されてきた、外国にルーツのある4人を取材。一人ひとりの生きた道のりをたどることで、彼らがどんな困難に直面してきたかを、子どもにも伝わるよう平易なことばでまとめました(漢字にはすべてルビをつけました)”。「国民の」祝日・春分の日に紹介するのにうってつけの1冊かも。排外主義の芽はいたるところにあるわけですね……。予約受付中。
柏書房
まじめにエイリアンの姿を想像してみた
9784760155637
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784760155637
“物理学や化学の法則は宇宙でも変わらないことを前提に、生物学の見方を元に、もし生き物が地球外に生まれた場合、液体、気体、固体の中の生活スタイルを考えながら、どのような姿形になるか、どのように行動を選ぶか、どのように発展をしていくかを、進化論やゲーム理論をベースにして、地球の動物たちの進化の過程を参考に、エイリアンにもあてはめて考えてみた結果をまとめています”。『三体』と一緒に読みたい……。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・3/31(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本、もといテーマは「矢野利裕の本」とのことです。『矢野利裕のLOST TAPES』『学校するからだ』などなど……。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・3/24(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『雪の練習生』です。詳細はこちらから。
②〈新規イベント〉4月13日(土)に「おでんの会×スナック社会科」を開催します。日中はおでん&スナック社会科のブース販売、夕方以降にトークイベントとなります。トークイベントは17時から20時まで(店頭&配信・アーカイブあり)。登壇者は宮越里子さん、BARBARA DARLINgさん、司会にサトマキさん。詳細&申し込みはこちらから。
③5月11日(土)に山内尚さんと清水えす子さんをお招きしてイベントを開催します。詳細とトークイベントの参加申込はこちらから(お茶会は自由参加です)。おふたりの新刊も予約を開始しています。『ノンバイナリースタイルブック』『シミズくんとヤマウチくん われら非実在の恋人たち』の2冊。同時刊行なのでセット販売もしています。ご都合に合わせてぜひ。店頭受取も可能なので、ご希望の場合はウェブストアは通さず直接連絡ください。
④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑤ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑥2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。
⑦4/1(月)から4/8(月)まで、タイに行ってきます。お店はその間おやすみ、ウェブストアの発送作業もストップします。本屋lighthouse始まって以来、初の長期休暇。おやすみ明けの仕事の溜まりっぷりがいまから怖い。しかし私は怖いもの見たさの塊なので、特にウェブストア購入分の発送がどちゃくそ溜まっていることを期待しています。