ジュンク堂・福嶋さんとの対談イベント、文フリとこの週末は忙しくしていました。
前者は近いうちに主催の百年の二度寝さんからアーカイブ販売の案内があると思うので、しばしお待ちくださいませ。「アリーナ論」で正解を出したつもりになっていた出版業界が再起動することを目標に、イベントに臨みました。もちろんセーファースペース論だって同じで、ゴールはどこまでいっても見つからないわけですが。
文フリは今回から入場料がかかるようになりましたが、思ったよりも売上が落ちず、となると今日からの売上に影響が出てくるのだろうと恐々としています。なお、本日のここまでの売上(開店から3時間)は6000円です。入場料を払うことを厭わない、それだけの余裕のある者らが来場している、つまり文フリ会場での購入金額には大きな影響はない、ということかもしれません。でもそれは「見えなくなった存在=1000円の負担すら厳しい者」がいるということでもあるので、そこは忘れずに。
そして文フリ関連のZINEなどなど、今日から少しずつ入荷してきます(ウェブストアにも登録しました)。案内をもらったけどまだ返事ができていないものもたくさんあります。発注も入荷も気長にお待ちくださいませ……。
新刊チェック(24/06/09-15に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
法政大学出版局
アラブの女性解放論
9784588011696
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784588011696
“120年前のエジプトで唱えられた男女平等思想。女子教育、ヴェール、家族法に関するその主張は、反イスラームといわれながらも、エジプトのみならずイスラーム地域の諸言語に訳され、信仰と近代性との調和を切に求める人々に広く定着していった”。イスラエルのピンクウォッシュが典型ですが、「イスラム教=女性や性的マイノリティに不寛容」というイメージをもとにして自国・自文化の優越性を誇る(あるいは加害を隠蔽する)ことは我々みなが気をつけなければいけないことで、それはイスラム教単体に限ったことではなく、宗教や信仰というもの全体に対して抱く偏見のひとつなんだと思います。
白水社
歩き娘
9784560093559
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784560093559
“言葉を発せず、歩くのをやめられない少女。包囲下で爆撃にさらされ、地下室に拘束されたまま、見知らぬ「あなた」に宛てて書き綴る”。副題は「シリア・2013年」。詳細がこれだけなので不明なところばかりなんですが、いま出される・読まれるべき1冊なのだろうと思います。要チェック。
葉々社
日常の言葉たち
9784910959047
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910959047
“キム・ウォニョン(作家・ダンサー・弁護士)、キム・ソヨン(読書教室運営)、イギル・ボラ(作家・映画監督)、チェ・テギュ(獣医)という、背景も活動分野も異なる4人によるエッセイ集。コーヒー、靴下、テレビ、本といった身近な存在の言葉をはじめ、ゆらゆら、ひそひそ、ひんやりなどの状態や様子を示す言葉について、それぞれが文章を綴る”。東京・梅屋敷の本屋、葉々社の出版部門です。定休日がかぶっていてお店に行けていない本屋の筆頭。出張販売しにいく作戦で、いつかこの難局を乗り切りたい所存。
光文社
血の涙
9784334103484
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784334103484
古典新訳文庫。“「朝鮮最初の小説家」と称される著者による、日清戦争で離れ離れになった家族の運命に翻弄される様を描く代表作”。日本の植民地政策によって生じた犠牲や加害をもとにした物語を、後世の日本人がフィクションとして楽しむというのはなかなかにグロテスクですが、無視することのほうがさらにグロテスク。
幻冬舎
若者が選んだ安倍晋三100のことば
9784344042940
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784344042940
“元総理の安倍晋三氏が生前、演説や式典で残したメッセージの中から、印象に残った100のことばを若者が選びました。その選んだ理由と解説補足から、日本を代表するリーダーの思想を学べる一冊です”。突っ込む気すらわかない本が現れた……そして安倍晋三デジタルミュージアムプロジェクトというのがあるのか……これも使途不明の政策活動費=税金が使われているのだろうか……。
文藝春秋
反日種族主義 「慰安婦問題」最終結論
9784163918587
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163918587
福嶋さんとのイベントのときにも話題にあがった『反日種族主義』の続編がこのタイミングで……。「これはヘイト本ではなくて批評本だ」というようなことを当時の文春広報課のエライヒトが言っていたような記憶がありますが、であるならばこの本を「ヘイトや差別に使いたい」者らが買いにくくなるような造りにしなければならないわけで、その努力を怠っていた以上、その効果はヘイト本にしかならなかったわけです。きっと今回もそういう売り出し方をするのでしょう。永住権関連などなどで外国人嫌悪の空気が高まってきているなかでの続編の刊行には、やはり政治側からの意図的なものも感じざるを得ませんし、端的に言って最悪ですね。そろそろまた大手版元が「わかりやすい」ヘイト本を出し始める頃合いかもしれません。
青林堂
参政党ドリル
9784792607647
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784792607647
ということを書いたそばから青林堂がこっち路線に戻ってきてしまったことをお知らせせねばならないとは……。ここ数年の青林堂は嫌韓嫌中ヘイト本はまったく出していなくて、精神世界系の本ばかり出していましたが……。陰謀論系の特徴がある参政党と組むのは確かに納得ですが、この政党は外国人差別系とも相性がいいので、残念ながら嫌な予想ができてしまう……(オカルトやスピリチュアルなどがイコール陰謀論になるわけでもないし、イコール差別主義者になるわけでもないです。念のため。そういう判断は明白な差別なので、安易な結び付けはしてはいけません)。
宝島社
安倍晋三 100の言葉
9784299054678
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784299054678
宝島社からもほぼ同じ内容の本が……絶対同じところからお金が出てるじゃん……。それにしても今週はすごいですね。気になる本よりも要警戒本のほうが多いのではないだろうか。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・6/9(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本は友田とん『先人は遅れてくる パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3』。シリーズ完結記念。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
*まさかの「代わりに主催する」会に!!→主催の高橋くんがダブルブッキングしていることに気がついたため、欠席に。今回はわたくし関口めが代わりに主催させていただきやす。おもしろすぎるぜ。
・5/26(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『地球にちりばめられて』です。詳細はこちらから。
②5月18日(土)19時〜21時、江古田の本屋・百年の二度寝さん主催でジュンク堂の福嶋聡さんとの対談、無事終了しました。音声のみのアーカイブ販売がいずれ開始しますので、主催の百年の二度寝さんからの案内をお待ちくださいませ。
③〈新規イベント予告〉7月6日(土)の18時〜20時にて、小川和『日常的な延命』(ナナルイ)の刊行記念イベントを開催します。登壇者は小川さんと、小川さんの幼馴染・鎌田裕樹さん。幼馴染ってなんやねん!?となった方はリンク先をご確認ください。私は「なんてこった!!」となりました。詳細確定次第、あらためてお知らせします。告知までの進行をとめているのは私です(ナナルイ鈴木さんへ。今日中に送りたいです!!)。
④〈さらに新規イベント予告〉7月13日(土)は終日、柿内正午さんとのゆるゆるなイベントを開催します。途中からは青木真兵さんも参加してくれます。日中は流しそうめんをやりたい所存。流す方法を思案中。夜はトークイベントを予定。こちらも詳細確定次第あらためてお知らせをば。柿内さんと青木さんの共著新刊『二人のデカメロン』はついさっき入荷しました。
⑤ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)が、こちらもTシャツ作成機能が終了したのでSUZURIに移行しました。
⑥ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑦2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。
⑧5月25日(土)は文フリ後夜祭です。幕張のお店の前で出店イベント。12時〜18時くらいで開催。今回の出店者は十七時退勤社とごーすと書房。今後も定期的に開催予定なので、出店したい方がいたらbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。日程調整します。