新刊チェック(24/08/25-31)&お知らせ
午前中にパートナーシップ宣誓をしてきました。異性どうしなので婚姻でもいいのですが、居住している千葉市は“同性・異性を問わず、互いを人生のパートナーとする二者のパートナーシップの宣誓を証明するもの”としてこの制度を運用しているので、別姓希望だし、そもそも婚姻制度の解体が最終目的だし、ということでこちらを選択。
非常に簡単に申請は進み、市役所に着いて20分後には外に出ていました(暑い)。事前に制度利用の旨をメールで連絡し、サイトにある申込書(1枚)をダウンロードして記入&持参(免許証などの身分証明書と独身を証明できる書類:戸籍全部事項なんちゃらとかも持参)、それらを担当者が確認して終わりです。通称名での宣誓も可能。担当者に聞いてみたところ、制度開始から6〜7年くらいで200組ちょっとが利用しているようで、今年に入ってペースが上がっているとのことでした。おそらく存在自体の周知がされてきているのではないかと。
千葉市役所、たぶんわりと最近に建て替えもあったからか、多目的トイレが「左まひ用」「右まひ用」の2つあったりなど、バリアフリーもしっかりしてました(トイレ位置の音声案内も聞こえてきました)。そういう環境で働いているからか、あるいはある程度の意識がすでにあるから役所の仕様もそうなるのか、いずれにせよ千葉市は結構ちゃんとしているようで、パートナーシップ制度に関する意見募集での差別的意見にもまっとうな意見を返しています(時折不用意な用語の使い方があるけども……)。
「千葉市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱(仮称)」の考え方に対する意見の概要と市の考え方(詳細版)
*直球の差別言説がたんまりと載っているので気をつけてください
こういうパブリックコメントに(わざわざ)意見を提出する者らは、現状では残念ながら差別意識丸出しの場合が多く、ほとんどがあからさまな差別言説になっています。それへの回答として、淡々と、往々にして「憲法で保障されている」という理由で回答する市の姿勢は、一見無機質なようで実は本質的というか、いかに差別言説が根本からアウトなものかということを炙り出すものになっているような気がしました。このような、読んでいるだけで消耗する意見に対して回答をせねばならない職員の負担も減らしたいですし、“少数派の意見を優先しすぎ”などといった意見への反論材料としても、この制度をマジョリティ(としても生きていられる)側が使っていくことも有用なのではないかと思います。
千葉市のパートナーシップ制度、千葉市の公的機関のみならず様々な民間事業においても証明書類として活用できるようですし、現時点で千葉市在住でない方も頭の片隅に入れておいてもらえれば……。
新刊チェック(24/08/25-31に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
*KADOKAWAの本、明日以降少しずつ入荷してくるようです!
柏書房
二つ以上の世界を生きている身体
9784760155675
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784760155675
“西洋医学と韓医学。韓国には二つの医療が併存する。韓医学とは韓国の伝統医学のことであり、医療施設の構造、診療方法、医学用語や薬の処方にいたるまで、西洋医学とは対照的だ。そして、この二つの医学が併存しているという状況は、“病む身体”とそれを取り巻く世界に対する理解が、複数存在していることを意味する”。ここ最近、身体に関する本がよく出ている気がします。『ハイブリッド・ヒューマンたち 人と機械の接合の前線から』『身体がますますわからなくなる』とか。
人文書院
韓国ドラマの想像力
9784409241646
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784409241646
“韓国ドラマは面白いだけではない。そこには、いま・こことは異なる社会の想像と創造のヒントが隠されている。2010年代以降にヒットした韓国ドラマを、経済格差、教育、国家権力、軍事、フェミニズムなど、多様な視点から社会学的に読み解く。ドラマ案内、韓国研究入門としても最適な一冊”。『韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち』『成功したオタク日記』などが最近の類書。これもまた波がきているジャンルかも。
柏書房
民主至上主義
9784760155705
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784760155705
“なぜ民主主義は危機に瀕しているのだろうか? そもそも、それは本当に「危機」なのだろうか? そしてもし民主主義をめぐる思想・議論のなかに、民主主義を土台から掘り崩すような要素が胚胎しているとすれば……?”日本は都知事選があって、これからアメリカの大統領選、ということでタイミング的にもバッチリな1冊か。痛いところを突かれる1冊になりそうだけど、大事なことだとも思います。
亜紀書房
「複雑系」が世界の見方を変える
9784750518527
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784750518527
“「わたしが水を飲もうとしてコップを持ち上げるとき、コップを持ち上げているのは宇宙なのだ」本書を読めば、この文章の意味が腑に落ちる”。似たような言葉で「複数性」というものがあるのだけど、これも(重要概念なのに)いまいち理解していない……ついでに理解できるようになるだろうか。期待。
柏書房
15分都市
9784760155712
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784760155712
“15分都市とは、生活、仕事、買い物、医療、教育、自己啓発という6つの必須な社会機能に15分以内に徒歩または自転車でアクセスでき、社会生活にとっても地球環境にとっても持続可能となる新しい都市モデルのこと”。本屋lighthouseのある幕張、わりとこの基準(の一部)を達成している気がする……とりあえず、私はいま15分以上の移動は滅多にしない生活を達成しています。怠惰なだけ、という説が濃厚。異論は認められない。
創元社
隣の国の人々と出会う
9784422931180
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784422931180
“著者が韓国語(朝鮮語)を学び始めた背景、この言語の魅力、痛みの連続である現代史と文学の役割、在日コリアンと言語のかかわりなどを、文学翻訳の豊かな経験から親しみやすく語る。文字、音、声、翻訳、沈黙など、多様な観点から言葉の表れを捉え、朝鮮半島と日本の人々のあいだを考える1冊”。シリーズ「あいだで考える」の最新刊は斎藤真理子。
原書房
[図説]ポケットと人の文化史
9784562074532
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784562074532
“16世紀に服に付けられて以来、ポケットが果たしてきた役割とは。婦人服になぜポケットがないのかと問われるように、小さな布にファッションだけではなく、性差、身分、社会の変化も表れる。フルカラー”。原書房の文化史シリーズ。そう!ポケットがない!マジで腹立つよねこれ!ポケットがないから購入をやめた服がたくさんある!
東洋館出版社
もっと話を聞いてほしいんだ
9784491056098
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784491056098
“本書では、実際にADHDを抱えて生きている、さまざまな民族的・社会経済的背景を持つ子どもたちの声やエピソードをふんだんに掲載”。実際にどの程度の「さまざま」なのかが目次からは明確にはわからないのですが、大事な観点だと思います。「すべて」的な銘打ち方をしつつも、実際には語ることができる(状況にある者)はごく一部、というのはよくあることなので……。
青土社
世界中の翻訳者に愛される場所
9784791776689
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3958
“ドイツの果ての町で翻訳者のためのユニークな場所と出会った著者による、トランスレーター・イン・レジデンスのすすめ”。付録に“世界各国の「翻訳者の家」”とあるからドイツ以外にも似たような場所があるということ……?気になる。そして装丁がかっこいい……。
創元社
ホームレスでいること
9784422360188
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784422360188
シリーズ「あいだで考える」がもう1冊。“公園や路上での生活や、ほかのホームレス女性たちとの営み、街の再開発とそれに伴うホームレスの追い出し、ホームレスへの襲撃などを伝え、現代社会の風景の中の「見えているのに見えないことにされているもの」「隠されているもの」「消されたもの」について、読者に語りかける”。著者のいちむらさんは『エトセトラ VOL.7 特集:くぐりぬけて見つけた場所』の責任編集、あと『小山さんノート』にも関わっています。
ジー・ビー
改訂新版 東京わざわざ行きたい街の本屋さん
9784910428468
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910428468
“2017年6月に発売された「東京わざわざ行きたい街の本屋さん」が7年の時を経てこのたび全面改訂”ということで、当時まだ小屋を建てようとしていた段階だったため掲載されなかった本屋lighthouseもついに登場するようです。なお、小屋は近いうちに解体予定です。見納めしたい方はご自由にどうぞ。たぬきが棲みついててもおかしくない状態ですが。
人文書院
アーレントと黒人問題
9784409031339
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784409031339
“ユダヤ人としてナチ政権下で命の危機に晒された経験を持つアーレントが、アメリカでの黒人問題については差別的な発言・記述を繰り返したのは何故だったのか。「黒人問題は黒人の問題ではなく白人の問題である」と喝破する著者が、アーレント思想に潜む「人種問題」を剔抉する”。大事な1冊ですね。高いけど……。
図書出版みぎわ
ジャッカ・ドフニ 大切なものを収める家
9784911029121
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784911029121
“北海道のオホーツク海に面した網走の地に、「ジャッカ・ドフニ」と呼ばれたサハリン少数民族の資料館が存在した。「ジャッカ・ドフニ」は、ウイルタ語で「大切なものを収める家」を意味し、北方少数民族であるウイルタのほか、ニヴフ、サハリンアイヌといった、サハリンに暮らした人々の生活や文化を伝えることを目的とした私設資料館だった”。『Decolonize Futures Vol. 3「アイヌと脱/植民地化 | Ainu and De/colonization」』も近々入荷予定なので、あわせて読みたい1冊かも。
先週お知らせするのを忘れましたが、11日(日)〜16日(金)までなつやすみにするので、お店はお休みです。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・8/18(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本、もといテーマは「読書感想文」。毎夏恒例になってまいりました。なお、昨年は提出者0名でしたが無問題でした。そういう読書会。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・8/23(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『太陽諸島』です。詳細はこちらから。
②〈新規イベント予告〉9月28日(土)にスナック社会科主催で『なぜガザなのか パレスチナの分断、孤立化、反開発』に関連するイベントを開催します。詳細などは近々告知予定。スナック社会科・直近のイベントは8月17日(土)「スナック社会科横浜映画祭#2」で、飯山由貴作品の上映会です。
③〈本屋lighthouse出版部・新刊のお知らせ〉9月初旬あたりにオルタナ旧市街『Lost and Found(すべて瞬きのなかに)』を刊行します。予約受付中。仕入れ希望の本屋さんは、②春眠舎の場合と同様に連絡ください。もしくはブックセラーや一冊!取引所にて。
④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)が、こちらもTシャツ作成機能が終了したのでSUZURIに移行しました。
⑤ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑥2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。
⑦mastodonサーバーを壊してしまったので新設しました。以前のlighthouseサーバーでアカウントを運用していた方はご連絡くださいませ。招待リンクをお送りします……。また、少々新規登録を受け付けますので、こちらのサーバールールに同意のうえ、こちらの招待リンクより登録をお願いします。とりあえず10名までです。