6月12日(木)
『両膝を〜』を読み進め、読み終わる。
そしてわたしは海を見た、いつも同じものに見える海と空、毎日同じ灰色の濃いかたまり。地区の人々の悲しみは雲なんだ、うなじの先、脊柱の一番上の部分に突き刺さった雲なんだという考えがそのとき浮かんだ。(p.148)
気圧が低いときに頭が痛くなったり、気分が落ち込んだりするのは、首のあたりに雲が突き刺さってるから。そう考えると納得した。売上はどうにか1万5千円を超える。常連さんが私の日記をプレゼント用に買っていくとのことで、そんな稀有なことある〜?と思い、だれに渡すのか訊いたらそこそこ有名なバンドの人だった。そんな稀有なことある〜?だった。しかもこのへんの中学出身らしい。稀有が渋滞した。首のあたりに突き刺さってた雲は消えてた。
6月13日(金)
本チャンネルの収録で下平尾さんとおしゃべり。下平尾さんの画面の背景が想像以上の「本」で、大学教授以上に「教授の部屋」だった。やっぱこの人はすごいな……となりながら収録。
収録を終えてご褒美のアイスを食べて、勢いで千葉土木事務所に連絡をとるも、境界線確定の担当者は不在だった。しかも県じゃなくて市の土木事務所にかけたほうがよかったような対応だった。電話代! 週明けの折り返しを待つ。いつもより納品が遅く、ドタバタと開店。営業しながらおうちづくりの打ち合わせもzoomでやる。zoomができないひろこさん父のためにひろこさんは実家にいて、画面にふたりが並んでいるのはなかなかにシュールだった。
ごーすと書房の秋葉さんが実家に帰ったついでに来店。夏のイベントに向けてアイデア出し。イベントのアイデアを考えるために、私の日記本をまとめてぜんぶ読んでくれたらしい。このお店でやるイベントは、いわゆるトークイベントとして限定的にやるものよりも、終日在店してますからお好きなときにどうぞスタイルの開放的なもののほうが似合ってる気がする、というようなまとめをしてくれて、やっぱりそうなんだろうな、と腑に落ちる。公園のイメージかもしれない。お金を払わないと入れないテーマパークではない。テーマパークではないから、これをしないといけない(これをみんなでやろう)みたいな指定もない。
今月下旬の新刊に向けて、中村 達『私が諸島である カリブ海思想入門』(書肆侃侃房)を遅まきながら予習。まさに「イギリスの」英文学を履修していた者として、やはり遅まきながらでも読まなくてはならない1冊である。本屋として、ふだん仕入れの判断をするときに「売れるかどうか」はとても大事なのだけど、その観点からすると本書はまさに「売れない」と判断されがちな地域の話あるいは文学作品についての本ということになる。「売れない」からといって店頭から弾くことが、さらに周縁化された状況=売れないを作り出すという循環に、私は常に加担していると言える。
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