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忘れていくものの記録250624〜0706

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読書日記

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本屋lighthouse(ライトハウス)〈幕張支店〉
Jul 06, 2025
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忘れていくものの記録250624〜0706
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6月24日(火)
 
思ったよりもすんなりと起床に成功し、日記を整理して投稿。ほかの作業も少しやってしまって、それから志津へ。荒廃した終末世界であるテナント従業員控室で昼ごはんを食べて、歯医者へ。お店にも寄って、ライブハウス形態になっていた店内を元に戻す。家に戻って夜ごはんを食べながら野球を観て、20時から『仕事文脈』会議。会議を終えたらマリーンズは勝っていた。
 ちょびちょび読んでる『突囲表演』はやはりプルーストとトリストラム・シャンディがへんてこ合体したようにしか思えない。しかしもうなにがなんだかわからず、主人公のX女史は目からビームが出てそれで街の男どもをメロメロにしている、と解釈したが合ってるだろうか。

6月25日(水)
 
朝読書に成功する。最近はなにを読んでもプルーストの気配を感じてしまうので、ここらでモノホンのプルーストをかまして幻影を断ち切ろうと考えたが、栞が挟まってはいるもののどこまで読んだか正確にはわからなくなってなんとなくで決めた改行のところで、はやくもプルーストをくらった。

私は家に帰った。私がすごしたのは老人の一月一日だった。その日に老人が若者と区別されるのは、もはやお年玉をもらえないからではなく、老人がもはや元旦など信じていないからである。私もお年玉ならもらったが、それは私を喜ばせてくれたはずのただひとつのお年玉というべきジルベルトの手紙ではなかった。それでもまだ私が若かったのはジルベルトに手紙を書けたからで、その手紙で私の愛情の孤独な夢を語ることによって相手の心にも同じ夢がかきたてられるものと期待したのである。年老いた人の悲哀は、効果がないのを知ってそのような手紙を書こうとも思わないところにある。(p.141-142)

 確か『突囲表演』ではX女史にメロメロになった何者かがキテレツな手紙を書いていた気がする。X女史はジルベルトなのかもしれない。
 土地の境界確定をしなくてはならず、測量事務所に見積もりを頼んだのだけど、50万以上もかかることが判明。どうして確定せねばならんのか。人間の所有欲がわからない。ここからここまではおれのものだ、と主張せねばならない理由がわからず、理由がわからないものに大金を払わねばならないことにまったく納得がいかない。
 お店の売上は不振続きで、もはやなんとも思わなくなっていることに気がつき、こりゃあかん。未来のたのしい話はたくさんある。中村達『君たちの記念碑はどこにある? カリブ海の〈記憶の詩学〉』(柏書房)を、前著『私が諸島である』の感覚を忘れないうちに読み始める。やらねばならない仕事を放り出して読んでしまうほどおもしろいから困る。とりあえず1章まででストップ。ぜんぶ読んでから仕事したらいいじゃん、どうせ気になって集中できないんだし、と何者かが囁いている。私はまだ手紙を書こうと思えている。

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