新刊チェック(25/06/29-07/05)&お知らせ
〈今週です・再掲〉2025年6月14日(土)12時00分〜15時30分 スナック社会科vol.11「小田切さんに嫌な話を聴く」を緊急開催します。話を聞いたからなんなんだと言われればそれはそのとおりなんだけど、でもそこからしか始まらないわけだから、やり続けるしかないわけで。正しくあろうとし続けることは本当に大変で、往々にして報われないのだけど、それでも続けてきた者たちがいるからこそ歴史が綿々と紡がれてきたのは紛れもない事実だということは、どうにかして忘れずにいたいですね。社会科イベントは店内と配信両方あります。配信はアーカイブもあるので後日視聴も可能。店内参加者にも希望があればアーカイブ動画を送ります。
トランプが「怒りの制御を学ぶべきだ」とグレタ・トゥーンベリ氏に言っているようだけど、怒りを正しい方向に向けられず他者への加害行為に転嫁することで自らの感情を制御しているつもりになっているのはトランプ本人なわけで、だからこそこうして揶揄したくなるのだろうと思います。本当は自分こそが「正しいことをしたい」のだけど、正しいことをするには越えるべきハードル、たとえば気恥ずかしさや他者からの揶揄(まさに自分がやっていること)を乗り越えないといけなくて、でもそれができるだけの勁さがない、ということを理解しているから他者の邪魔をする。羨ましい、という嫉妬の感情が根本にはあるように思えてならない。嫉妬は自分を高めるために使うべきで、他者を貶めるためにあるものではないのだけど、一度蟻地獄のようなものにハマるとこれがなかなか脱出できない……。
バリューブックス運営の「本チャンネル」にてインタビュー動画が公開されました。
地質学×神話で太古から物語られてきた歴史をよみとく——『大地と人の物語 地質学でよみとく日本の伝承』編者・野村律夫さん、天野一男さん インタビュー
「根拠のないもの」「狂信的なもの」といった意味合いで「神話」という言葉を使うのは、いろいろな文脈でよろしくないと思っていますが、そのあたりについても考えてもらえる動画&1冊になっているとうれしいですね。本はおそらく今週末の入荷でやってくるはず……。
新刊チェック(25/06/29-07/05に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
人文書院
耐え難いもの
9784409031384
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784409031384
“1970年代初頭、フランス監獄における「耐え難い」状況を囚人自身に語らせ、それを社会に伝えるため、監獄情報グループ(GIP)が結成された”。“GIP(監獄情報グループ)は様々な監獄について囚人たちに代わって語ることを任務としない。それは反対に囚人たちが自分自身について語ることそして監獄で起きていることを語ることその可能性を彼らに与えることを任務とする”。最近読んだなにかの本で、日本は囚人が持つ人権についての感覚が残酷すぎるというようなことが書いてあって、そこをちゃんと意識しないとどれだけ反差別だなんだと言ったところで説得力はないんだよな……ということを思い出しました。反差別は「悪=他者を裁くこと」ではない。ちょっと高いけど1冊入れます。
宝島社
九龍城寨之圍城 公式実景美術集 映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦」
9784299067395
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784299067395
“約10億円をかけて見事に再現された九龍城砦のセットを収めた公式の実景集です。作品への想いや制作秘話を語る、貴重なインタビューも収録”。6000円+税。とんでもねえのがやってきた。原作小説『九龍城砦1 囲城』も予約受付中。
勁草書房
アザー・オリンピアンズ
9784326654499
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784326654499
“1930年代、男性に性別移行した4人のアスリートがいた。優生思想が重なる女子スポーツ黎明期、歴史は選手たちをのみ込んでいく”。“性別確認検査とは一体何を調べているのか。その発端は女性もスポーツに参加し始めた1930年代にあった。ナチス影響下のオリンピックに前後し、各大会を運営する男性たちのミソジニー的な思惑で科学を軽視した無責任な検査が行われていった。そして忘れ去られる当事者たち。スポーツとジェンダーをめぐる問題のルーツがここに”。歴史は繰り返されているというわけですね。解説は井谷さんです。
大月書店
ラディカル・マスキュリズム
9784272350643
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784272350643
周司あきら。“「男」とは自明視されるほど確固たる存在か。男らしさ、身体、男性運動、ヘゲモニー、ミサンドリーの視点から「男」に徹底的に向き合い、男性たちが性差別構造を解消し、自分の性/生を豊かにするための思考・実践を探究する”。なお、光文社新書『男性学入門』は新書あるあるの「発売後数ヶ月は新刊配本されたチェーン店からの返品待ちのせいで出版社在庫がない=重版したあとに返品が来ると困るから重版しない」が起きていて、追加発注しても少し時間がかかるタイミングに突入しています。
作品社
父の四千冊
9784867930977
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784867930977
“出版社を経営していた父親が他界して八年。著者は、父の蔵書四千冊の整理という一大事業にようやく手をつけた。父親が蒐集していたアイスランドの名もなき人びとによる膨大な記録の書を読み、人びとの電車の中での過ごし方を観察し、レイキャヴィークのレストランで「半分」にされた本に困惑する。大量の蔵書と向き合う日々は、やがて著者を思わぬところへと連れていく”。しっとり読みたい1冊だ……。
コトニ社
版元番外地
9784910108223
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910108223
“「書物で世界をロマン化せよ!」ーー2014年春、ひとりの失業編集者が、こんな理想を掲げて出版の世界に火をおこした。社員なし! 事務所なし! なのに社名だけはむやみに大きい超零細出版社は、この転形期に何を夢みたのか? その行き着く先は?”。ということで、共和国・下平尾さんの単著です。本チャンネルにてインタビューします。トランスビュー封入大会後の「残業@呂久呂」みたいな雰囲気にしたい。予約受付中。最近読んだなにかの本で、日本は囚人が持つ人権についての感覚が残酷すぎるというようなことが書いてあって……ってさっき書いたけどたぶんこれです。まったくもって内輪向けではない1冊なので、そういうところも伝わる動画にできれば……。
株式会社桂書房
地方女子たちの選択
9784866271651
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784866271651
“地方都市のひとつ富山で女性14人の語りを聞き取り、「数」から「生身のある人間」へと解像度をあげた。彼女たちはなにを選んできたのか、選べなかったのか。語りを通して、みえてくるものとは”。“「富山から出ていく」選択をした上野千鶴子と山内マリコが、様々な選択が幾重にも交錯する語りをふまえ、対談し、地方をみつめなおす”とあるように、「出ていく」選択とともに「出ていかない」選択をとった者、あるいは「出ていけない状況にある者」への適切な視点があるかどうかが大事だと思います。たとえば、出ていけばいいじゃん、の持つ暴力性。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会&イベント関連のお知らせ
・7月5日(土)14時〜16時 高橋くん読書会 *今回は土曜日開催です
→今回の課題本はボブ・ブラック『労働廃絶論』(まとも書房)です。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・7月6日(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は岩城けい『さようなら、オレンジ』です。詳細はこちらから。
・7月26日(土)14時〜16時 Blakeさん主催のおしゃべりイベント「食べるを駄弁(だべ)る」
→こちらはだいたい2ヶ月に1回の開催です。参加費500円。当日現金払い。詳細はこちらから。
・6月27日(金)18時から マリーンズの試合を奥の部屋で観る会
→自由参加です。飲食物の持ち込みも歓迎。ただただ野球を観るだけ。
②〈特別イベント関連〉
・6月22日(日)終日、〈音楽ライブ〉ハンナ×本屋lighthouse pre. 「あまねくひかり」を開催します。出演アーティストはむらかみなぎさ、Len(Salan)、の2名。お客さん主催の音楽フェスです。うれしい。この日は本屋営業はせず、ライブハウスになります。詳細はこちら。
・6月29日(日)終日、〈音楽ライブ〉ボギーと鹿子、さらには門土〜ブードゥーラウンジの逆襲・関東死闘篇〜を開催します。毎年恒例となりつつあるボギーさんのライブですが、今年はモンドくんの似顔絵と、鹿子さんのトークもある豪華版。鹿子さんの話し相手は私です。なにを話すか、現時点ではまったくわからん。わからんのすけ。詳細はこちらから。なお、このイベントは他店舗との共催も募集しています。端的に言うと、ライブビューイングみたいな感じで他店舗でも映像を流せるようにします。気軽にお声がけください〜。
・7月12日(土)12時〜17時、「こんばんはノンバイナリーです 談話室」を開催します。“『こんばんはノンバイナリーです』を書いた/読んだ/気になってる人たちが思い思いに雑談したりくつろいだりできる会です。何かしてもいいし、いるだけでも大丈夫。みんなでノンバイナリーの実存を祝福しましょう!”というイベントで、自由参加です。気軽にどうぞ〜。なお、肝心の本は刊行されましたが早速重版待ちです。
・〈新規出店イベント〉6月28日(土)11時〜17時「第2回市川ブックフェスティバル@シャポー市川1Fむすぶば」に出店します。今年の2月に第1回があって出店したものですね。この日は幕張のお店はお休みです。
③読書のSNS&記録アプリ「Reads」のアカウントも取得、運用しています。個人的に読んでいる本を中心に紹介、ただただ楽しくやっております。ウェブストアでは「最近Readsで紹介した本」カテゴリも作りました。現状iOSのみですが、Androidにも対応予定とのこと。見るだけならウェブブラウザでもできるので、ぜひチェックしてみてください→本屋lighthouseのページ
④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しています。TシャツなどのグッズはSUZURIで販売中です。
⑤ブルースカイのアカウントを開設していました。mixi2も。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑥2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。