新刊チェック(25/07/27-08/02)&お知らせ
人生を対戦相手のあるスポーツ的なもの、たとえば野球とかサッカーなんかで考えていると、相手の「ズル」を正せば自分の得になると考えるのもある程度納得はできてしまうけども、そうではなくマラソン、しかも順位づけはされずにシンプルに自分の記録を更新していくかだけが観点のマラソン大会だと考えると、違う景色が見えてくるんじゃないかと思うんですよね。
自分のタイムを伸ばすことだけが目標とされるマラソン大会で「相手がズルしてる」という考え方は生じ得ないし(生じたとしてもナンセンス)、練習の成果が発揮できないようなコース環境(グチャグチャの道路とか補給の水が少なすぎるとか)になっているのならその改善を要求すべきなのは大会運営者ということになる。隣で走ってる人を邪魔しようという考えは無意味ということが、そしてシンプルにかつ公平に環境整備を求めれば自然と自分も楽になるということが、おそらくはっきりと理解できる。逆に、相手のあるスポーツだと、期待していた結果が得られないと「相手はズルしている(審判が下手くそ)」とか思いたくなるんですよね。
そして自分のタイムを更新することが目標であるならば、2時間で走ろうが1日かけようが、あるいは裸足で走ろうが電動自転車で走ろうが、それは個々の自由ということになる。隣で走ってる人が新幹線に乗っていてもずるいとは思わない。速すぎるだろ!とは思うだろうし、もはや競技が違うとも言えるけども、それでも構わない。
こんな話をしても即効性はないだろうけど、選挙後にも生活は続いていくので、いつか効き目があるかもしれないタネはとにかく蒔いていきたいですね。
新刊チェック(25/07/27-08/02に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
原書房
境界線の世界史
9784562075522
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784562075522
“国境はなぜ生まれ、いかにして世界をかたちづくってきたのか。戦争、条約、思惑が交錯する線の歴史を辿りながら、現代世界の成り立ちを鋭く照らし出す、ユニークな歴史読み物”。正確には、植民地主義を推し進めた国家によって、という注釈付きになる場合が多いと思います。『国境と人類 文明誕生以来の難問』『奇妙な国境や境界の世界地図』『国境廃絶論 入管化する社会と希望の方法』が類書かと。
旬報社
学校の「男性性」を問う
9784845121052
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784845121052
“学校は男女平等に見えて、実際には男性を標準とし、「良いこと、目指すべきこと」とされる基準の多くが「男性性」と結びついている。しかし教師はそれを意識することなく、当たり前に受け入れていないだろうか。学校で日々行っていることの多くが日本のジェンダー不平等の大きな原因なのかもしれない。学校の日常をジェンダーの視点から問い直す”。こうして作られた規範のなかで男子間での順位づけが生じて……というのがいま思うと結構キツかったな……と。そのまま大人になったらそりゃ苦しいはず……。
明庭社
トピーカ・スクール
9784991417900
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784991417900
『10:04』のベン・ラーナー、2020年ピューリツァー賞最終候補作が邦訳されます。出版社立ち上げ第1冊目がこれ、というのは海外文学好きからするとアツい案件。『10:04』も読まねば……。本チャンネルでもtoi booksの磯上さんが訳者インタビューをしているようなので、公開を楽しみにお待ちください。
岩波書店
体験者「ゼロ」時代の戦争責任論
9784000617116
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784000617116
“戦後八〇年、戦争体験者がほぼ亡くなるという新たな状況が生じつつある。体験者の声が遠くなるなか、いかに戦争責任を問う議論を継承し、発展させていくことができるだろうか。これまで議論を牽引してきた世代、そして現代的観点から批判的更新を図る若い世代による徹底討議を中心に、未来へ向けて戦争責任論の可能性を開く”。ちょうど読んでる『君たちの記念碑はどこにある? カリブ海の〈記憶の詩学〉』では、奴隷制によって歴史が断絶されてしまったカリブ海の人々がどのようにして歴史を、すなわち記憶を受け継いでいくのか/創造していくのか、ということが書かれていて、もしや類書なのではないか……。
紀伊國屋書店
熊になったわたし 人類学者、シベリアで世界の狭間に生きる
9784314012119
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784314012119
“カムチャツカで先住民族を研究する29歳のフランスの女性人類学者が、ある日、山中で熊に襲われて大けがを負う。その日を境に西洋とシベリアの世界観、人間と獣の世界の境界が崩壊し……スパイの疑いをかけられてロシア秘密警察の聴取を受け、たび重なる手術と事件のフラッシュバックに苦しみながらも、身体と心の傷を癒し、熊と出会った意味を人類学者として考えるために、再びカムチャツカの火山のふもとの森に戻ってゆく”。これはおもしろそう……個人的に夏休みの課題図書にしようかな。
サッフォー
シモーヌ 2025年夏号
9784911592007
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784911592007
“現代書館から創刊した『シモーヌ』が、分断と孤立を越えるコレクティブなフェミニストマガジンとしてサッフォーからリニューアル刊行”ということで、久しぶりの刊行ですね。中身もほぼ入れ替わっていて、創刊みたいな勢い。本屋的には取次流通はどこなのか、それとも直取引だけなのか、ということも気になってしまう……。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会&イベント関連のお知らせ
・8月10日(日)14時〜16時 高橋くん読書会 *今回は土曜日開催です
→今回の課題テーマは「読書感想文(を書くための読書会)」です。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・『物語とトラウマ』ゆる読書会はいったん終了。一度別のワークショップ的なものを挟んでから、別のテーマで読書会をスタート予定です。
・7月26日(土)14時〜16時 Blakeさん主催のおしゃべりイベント「食べるを駄弁(だべ)る」
→こちらはだいたい2ヶ月に1回の開催です。参加費500円。当日現金払い。詳細はこちらから。
・7月18日(金)18時から マリーンズの試合を奥の部屋で観る会
→自由参加です。飲食物の持ち込みも歓迎。ただただ野球を観るだけ。
②〈特別イベント関連〉
・〈ついに今週〉7月12日(土)12時〜17時、「こんばんはノンバイナリーです 談話室」を開催します。“『こんばんはノンバイナリーです』を書いた/読んだ/気になってる人たちが思い思いに雑談したりくつろいだりできる会です。何かしてもいいし、いるだけでも大丈夫。みんなでノンバイナリーの実存を祝福しましょう!”というイベントで、自由参加です。気軽にどうぞ〜。
・〈新規店内イベント〉7月20日(日)17時〜19時 大原扁理さん読書会(課題本:『シン・ファイヤー』)を開催します。著者登場、というか主催の特別な読書会です。詳細&申込はこちら。
・〈店内イベント〉7月21日(月・祝)12時〜15時 スナック社会科vol.12「早尾貴紀対談集『いつの日かガザが私たちを打ち負かすだろう』刊行記念 早尾さんと小田切さんにもっと嫌な話を聴く」を開催します。先日開催したvol.11の続編的な感じで、早速やります。店頭&配信。アーカイブもあります。詳細と申込はこちら。vol.11のアーカイブもあるので予習的にぜひ。
・〈店内イベント〉7月23日(水)クレオパトラブックス選書祭@本屋lighthouseを開催します。名古屋はTOUTEN BOOKSTOREから始まり、さらには都内でも人気の対面型選書でございます。なかなかない機会なのでぜひ……。詳細と申込はこちら。
・〈店内イベント〉7月27日(日)13時〜15時 『アナキズム 新たな社会関係を創り出す』(白水社)刊行記念イベント「本屋から始めるアナキズム」を開催します。登壇者は訳者・小田透さん、高島鈴さん、北村紗衣さんです。詳細と申し込みはこちら。店内参加がすでに満席・キャンセル待ちとなっていますが、配信は無制限で参加可能です。
・〈新規店内イベント〉8月3日(日)12時〜19時 幕張リトルブックマルシェ
→定期開催を目論む、ごーすと書房さんと共催のブックフェス的なサムシングです。今回は柿内正午さん(零貨店アカミミ)がゲスト出店。そして柿内さんと一緒に「本屋をじっくり見る会(スロー・ルッキングを実践する会)」も開催します。詳細は確定次第、告知ページに追記します。本の購入以外は無料参加のイベントなので、気軽にご参加ください。詳細はこちらから。
③読書のSNS&記録アプリ「Reads」のアカウントも取得、運用しています。個人的に読んでいる本を中心に紹介、ただただ楽しくやっております。ウェブストアでは「最近Readsで紹介した本」カテゴリも作りました。現状iOSのみですが、Androidにも対応予定とのこと。見るだけならウェブブラウザでもできるので、ぜひチェックしてみてください→本屋lighthouseのページ
④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しています。TシャツなどのグッズはSUZURIで販売中です。
⑤ブルースカイのアカウントを開設していました。mixi2も。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑥2024年5月より営業時間を変更しました。土日祝日はこれまでどおり12時〜19時での営業ですが、平日の営業時間を14時〜21時に変更。いままでより2時間後ろにずらします。会社帰りにも寄りやすくなると思うので、ぜひ帰り道に……。