新刊チェック(24/03/17-23)&お知らせ
昨夜、確定申告書類を税務署の時間外窓口的なところにぶち込んで参りました。今回から消費税を支払うことになり、先ほど24万ほど振込も済ませました。この24万をそのまま被災地だったり困窮者だったりに渡したい。私の支払う税金はブルーインパルスの燃料代ではない。「戦争被害者を励ますためにブルーインパルスを飛ばします」なんてことが起きないように、引き続き抵抗していきましょう。
また、先日開催した映画上映イベントの売上(と毎月実施しているお店の売上から)の寄付として、以下の2箇所に送金しました。
・石川県書店商業組合→能登半島地震で被災した書店を支援するため、義援金を受け付けています
・イスラエル・ガザ人道危機救援金(日本赤十字)
新刊チェック(24/03/17-23に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
中央公論新社
男のイメージ
9784122075023
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784122075023
文庫。“「男子たるものかくあるべし」。現代社会で共有される理想の男性像は、どのように成立し、いかにしてナショナリズムの主要素となったか。騎士道精神の継承、ギリシア的美の礼讃、体操の普及と肉体美の称揚、男性同盟と戦争、そしてナチスによるユダヤ人・同性愛者迫害――。近代社会の成立から二〇世紀末までを射程に描く〈男らしさ〉の近現代史”。
岩波書店
ショック・ドクトリン 上巻
9784006033446
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784006033446
文庫。“戦争、自然災害、政変などの惨事につけこみ、人々が茫然自失している間に過激な経済改革を断行するショック・ドクトリン。独裁政権下のチリ、ソ連崩壊後のロシア、天安門事件後の中国など、世界中を席捲した改革は何をもたらしたのか”。名著がこのタイミングで文庫化です。下巻も同時刊行。
集英社
我が友、スミス
9784087446272
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784087446272
文庫。筋トレ小説なるものを確立させた1冊なのかもしれない。というかもう文庫化ですか。単行本は2022年1月。2年か……。
ナナロク社
あかるい花束
9784867320273
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784867320273
岡本真帆、第2歌集。『水上バス浅草行き』は当店でも結構お届けした記憶があります。今回もサイン本含め予約受付中。
新潮社
あいにくあんたのためじゃない
9784103355335
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784103355335
柚木麻子、新刊。“老若男女に贈る、強炭酸エナドリ・最高最強エンパワーメント小説集”。装丁がダサくてよい。『マリはすてきじゃない魔女』も好調です。
早川書房
姉妹のように
9784152103161
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784152103161
“著者クロエの親族だったコルマン三姉妹は、幼くしてナチの強制収容所で亡くなり、その人生の物語は空白のまま。クロエは生存者や資料をあたるうちに、彼女たちと実の姉妹だったかのような別の三姉妹の存在を知る”。今年は「書き残すこと/物語ること」がテーマの1年でもあるので、気になる1冊。
筑摩書房
耳をすませば
9784480832207
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480832207
“『82年生まれ、キム・ジヨン』著者のデビュー作にして傑作! 抜群の聴力を持つ少年がテレビのサバイバル番組に出場し……”。デビュー作がまだ翻訳されてなかったパターン。著者インタビューも収録されているようです。
ビジネス社
日本民族抹殺計画
9784828425962
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784828425962
毎度お馴染みビジネス社のヘイト本です。リンク先は閲覧注意です。先日話題になった「永住権取り消し法案」もそうですが、そういう空気を作り出そうとしている気配が強まっています。SNSで発信していくことに加え、身近な存在がそのような(基本的に悪意のないであろう「なんか外国人ってさ」的な)発言をした際にも、うまいことその「自覚のない差別」を是正していきたいところ。この「永住権取り消し法案」も、前記のサイトは移住連のものなので問題点がきちんと明記されていますが、たとえばNHKの記事なんかでは中立的な記述を装った実態はシーソーの傾きが半端ないものになっています。よくわかっていない人がこのニュースをチラ見したら、「へー、確かに悪いことしてるんだから当然だよね」と思うだけで終わりになるでしょう。SNSを見ていると悪意の塊のような発言ばかりが目に入りますが、この社会で生きる多くの「日本人」は悪意=自覚のない差別を繰り返す状態にあります。ここにきちんとアプローチしたいですよね。選挙時の無党派層や投票に行かない層も、ここにだいぶ重なっていると思いますし。
岩波書店
魔女狩りのヨーロッパ史
9784004320111
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784004320111
新書。“一五~一八世紀、ヨーロッパ文明がまばゆい光を放ち始めたまさにそのとき、「魔女狩り」という底知れぬ闇が口を開いたのはなぜか。その起源・広がり・終焉、迫害の実態、魔女イメージを創り上げた人たち、女性への差別――進展著しい研究をふまえ、ヨーロッパの歴史を映し出す「鏡」としての魔女と魔女狩りを総合的に描く”。宗教差別ともつながるテーマのような気がします。
講談社
スキップとローファー 10巻 能登半島地震応援版
9784065356302
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065356302
“2024年1月1日に発生した能登半島地震をうけ、アフタヌーン編集部は高松美咲さんと話し合い、石川県の義援金口座に1,000万円を寄付することにいたしました。そして今巻、みつみの故郷のモデルとなった石川県珠洲市の風景イラストや描き下ろしを含む4枚のポストカードが封入された能登半島地震応援版を同時刊行。こちらの利益(※)が1,000万円を超えた場合その分も後日寄付いたします”。通常盤(690円+税)も同時刊行で、こちらも仕入れます。応援版は1100円+税です。
青土社
アンチ・ジオポリティクス
9784791776320
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784791776320
“商品の合理的な移動を目指し、あくなき開発を続ける資本。過剰な移民の移動を管理すべく、境界を巧妙に操作する国家。世界の地理は、こうした資本と国家によってのみ形作られている――わけではない。地中海の孤島の移民収容所で、イスラエルに包囲されたパレスチナの都市で、フードデリバリーの自転車が走る路上で。地球上のさまざまな場所で、境界をすり抜け、食い破る人々が声をあげている”。『路上の抵抗誌 創刊号 特集:路上空間を歩くこと』とあわせて読みたい1冊かも。
青土社
大崎清夏詩集
9784791776290
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784791776290
“第1詩集『地面』、第2詩集『指差すことができない』(中原中也賞受賞)、第3詩集『新しい住みか』を著者初の集成として一冊に”。このちょっと前には日記本『私運転日記』も刊行されます。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・3/31(日)14時〜16時 高橋くん読書会
→今回の課題本、もといテーマは「矢野利裕の本」とのことです。『矢野利裕のLOST TAPES』『学校するからだ』などなど……。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・3/24(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『雪の練習生』です。詳細はこちらから。
②〈明日です!〉2月29日(木)13時〜16時 本屋の本を売る本屋・ごーすと書房による出張販売をお店の前で開催します。ごーすと書房の詳細はこちらから。
③3月2日(土)18:00〜20:30 本屋deライブハウス:ボギー&カシミールナポレオン(魔界)を開催します。この日は本屋ではありませんのでお気をつけください(不敵な笑み)。たぶん16時くらいまで通常営業で、そのあとはライブハウス仕様になります。詳細&申込はこちらから→https://books-lighthouse.com/portfolio/bogggeykashnapo240302/
④〈新規イベント〉5月11日(土)に山内尚さんと清水えす子さんをお招きしてイベントを開催します。詳細が決まり次第告知ページを作成&公開しますが、前半はお茶会(無料・自由参加)で後半はトークイベント(有料・要申込)の二本立てになる予定です。ということで、おふたりの新刊も予約を開始しています。『ノンバイナリースタイルブック』『シミズくんとヤマウチくん われら非実在の恋人たち』の2冊。同時刊行なのでセット販売もしています。ご都合に合わせてぜひ。店頭受取も可能なので、ご希望の場合はウェブストアは通さず直接連絡ください。3月下旬くらい刊行なので、次週のこのレターにてあらためて紹介します。
⑤ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)。いまのところオシャレさんもどきみたいなものしかないので、今後はもっとへんてこなものを増やしていきたい所存。
⑥ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑦2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。