新刊チェック(24/04/21-27)&お知らせ
タイはカンチャナブリ県サンクラブリよりお知らせです。ミャンマーとの国境付近。らしい。本当は今日もどこかに行く予定だったのだけど、レンタルバイクがタイ人オンリーで観光客はNGとのことで、じゃあ今日は近辺でゆっくりするか……となったはいいものの日中は暑くて出歩きたくねえ(と父が)なったため、ちょっと暇、ということで新刊チェックしちゃうか、という具合です。
モーン・ブリッジというのがここのいちばんの名所とのこと。朝方と夜は結構賑わってますが、日中は暑いのでまばらです。
ということで、10日(水)から営業再開です。ウェブストアの発送も10日から再開。発送作業でひーひー言わしてください。
新刊チェック(24/04/21-27に刊行予定の本) *入荷は少し遅れます
花伝社
海賊たちの黄金時代
9784763421135
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784763421135
グラフィックノベル。“労働のさなかに障がいを負い、賃金をごまかされ、腐った食料を与えられ、専制的な権力をもつ船長によって甲板のそこかしこで鞭打たれていた海の男たち(そして少数の女たち)は、海賊船の上では根本的に異なる生活を築いた。……それは驚くほど平等主義的なものであった。海賊たちは、病躯や負傷のために働くことができない者に掠奪品の分け前を与えることにより、原始的な社会福祉制度をつくり出しさえした”。海賊といえば悪者、というイメージだけどそれを覆す1冊。百姓一揆とかもそうだけど、結局は「権力者」にとっての「悪者」であって、歴史の教科書が権力者目線で書かれていたらそうなるよな……ということがよくある気がします。江戸時代は徳川幕府が260年も続いた平和な時代、とか教えられた気がするけど、その平和って徳川家にとってのものでしかなくて、その権力を維持するために酷い政治制度をいくつも施行していたりするわけで……。
日本書籍出版協会
出版社の日常用語集 第5版
9784890031641
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784890031641
“出版社の新入社員や比較的経験の浅い方々が、これら業界用語を検索する際に手軽に利用できる手引きとして作成したもので、初版は1982年4月、1988年に第二版、1999年に第三版、2008年に第四版を発行いたしました。そしてこのほど、改訂版として第5版を発行いたします”。900円+税なので業界人じゃなくても欲しい人いるかも。ZINE作るときに参照もできるし。自分用+店頭用で仕入れてみます。
中央公論新社
男の子になりたかった女の子になりたかった女の子
9784122075115
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784122075115
文庫。短編集。“コロナ禍で子どもを連れて逃げた母親、つねに真っ赤なアイシャドウをつけて働く中年女性、いつまでも“身を固めない” 娘の隠れた才能……あなたを救う“非常口”はここ”。単行本も在庫あり。単行本愛好家のみなさん、よろしくお願いします。
中央公論新社
現代語訳 豆腐百珍
9784122075061
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784122075061
文庫。“天明期に、豆腐料理を紹介した料理本の第一級史料「豆腐百珍」「豆腐百珍続編」「豆腐百珍余録」の現代語訳。メニューを尋常品、通品、佳品、奇品、珍品、絶品の六等級に分類する。単に多くの料理法を並べるだけでなく、登場する素材の故事来歴をはじめ、中国・日本の文人による豆腐への賛辞・逸話を収録”。なんか気になる1冊……タイにいるからかな。
以文社
マニフェスト
9784753103836
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784753103836
“カリブ海マルティニック島の大作家で、数々の著名な仏文学賞を受賞してきたエドゥアール・グリッサンとパトリック・シャモワゾーによる(グリッサンの10周忌に編まれた)政治的評論集”。たぶん『私が諸島である カリブ海思想入門』を積んでいる私はこれと併読したいと思いました。
河出書房新社
いっしょに翻訳してみない?
9784309617640
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309617640/
“中学生と人気翻訳家がO・ヘンリの名作『二十年後』の翻訳に挑戦!”ということで、越前敏弥と翻訳レッスン……本当にレッスンしたのかな……うらやましいぜ……。
講談社
白い拷問 自由のために闘うイラン女性の記録
9784065353813
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065353813
“2023年に獄中でノーベル平和賞を受賞したナルゲス・モハンマディの手記と、ナルゲスによる13人の女性受刑者へのインタビューをまとめた衝撃のノンフィクション”。ここで大事なのは「やっぱりイスラム教って怖いんだ(ヤバいんだ)」というように宗教差別をしないこと。大事な1冊であるからこそ、ほかの差別に加担しないようにしたいですね。
作品社
アダルトグッズの文化史
9784861828225
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784861828225
“古代から現代までの歴史をたどり、女性の性の自立の観点から、主に20世紀アメリカを舞台に繰り広げられた快楽と規制の攻防と緊張関係を描き出す”。『抹消された快楽』『これからのヴァギナの話をしよう』などが併読したいですね(いずれも積読)。
早川書房
宇宙の超難問 三体問題
9784153400221
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784153400221
新書。“劉慈欣のSF大作『三体』に登場し、一躍知られるようになった天体物理学の難問「三体問題」。ピタゴラス、ニュートン、ポアンカレ……名だたる科学者たちを悩ませ魅了してきた宇宙の謎と、その解明を目指した人類の歩みの全貌を描いた科学ノンフィクション”。『三体』の2巻目上巻・下巻、文庫版も同時期に刊行。三体問題のことようわからん、でも楽しく読めますが(サンプル数1:私)、もっと楽しく読みたい場合はこっちも読むといいかも。
青弓社
トランスジェンダーQ&A
9784787235367
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784787235367
『トランスジェンダー入門』の高井ゆと里・周司あきらのタッグで2冊目ですね。予約受付中。タイに来たらTwitterのトレンドがタイのものになってしまったこともありちゃんと追えてないのですが、産経新聞刊行のアレでなにか動きがあったのでしょうか。ないわけない、のですが……。
フィルムアート社
ルール?本
9784845921447
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784845921447
“日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在や影響を取り上げながら、ルールを「つくる」「使う」「見直す」「更新する」ことでわたしたちの社会をアップデートしていくことを目指します”。“21_21 DESIGN SIGHTの企画展「ルール?展」(2021年)”を本の形にしたもののようです。増補部分には“清水晶子(フェミニズム/クィア理論研究者)、小田原のどか(彫刻家/評論家)”なども参加しているようです。
柏書房
神秘的じゃない女たち
9784760155613
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784760155613
“かつて科学者になる夢をあきらめた著者が、フェミニズムと科学技術社会論に出合い、憎んでいた科学と「和解」し、女性の観点から科学を見つめ、科学の観点から女性の体と経験を理解しようとした思索の軌跡をまとめたもの”。“出発点は、卵子凍結について悩むことかもしれないし、高校を卒業してすぐに受けた二重手術かもしれない。うつ病になること、摂食障害になること、妊娠とキャリアについて考えること、無責任な父親について考えること、かもしれない。さまざまな要素が混ざり合う、複雑な個人の暮らしから、本書は話を始めていく”。韓国の書店員が選ぶ“第6回「書店員が選ぶ今年の本」選出”ってのがいいですね。
フィルムアート社
ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト
9784845923205
https://www.filmart.co.jp/books/978ー4-8459-2320-5/
“映画史における「女性」、スクリーン上に存在する女性たち、あるいはそのイメージを紡ぎ上げる作り手、映画表現における女性存在をめぐる思考、あるいはその先で映画を広げようとする方々まで、「女性たちの映画史」に向き合うための方法を、この本と共にみつけよう。グッチーズ・フリースクールの降矢聡氏とさまざまな形で映画に携わる吉田夏生氏による、女性たちの映画史へのアプローチを考える、あたらしくたのしいガイドブック”。今週はフェミニズム関連がたくさんありますね。
エトセトラブックス
じぶんである って いいかんじ
9784909910226
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909910226
“やさしく温かいことばづかいと、楽しい絵で〈ジェンダーのアイデンティティ〉がわかる、世界じゅうでベストセラー絵本”。よく見ると訳が高井ゆと里さんですね。今月は忙しい。予約受付中。
今週のお知らせコーナー
①定期読書会関連のお知らせ
・5/4(土)14時〜16時 高橋くん読書会 *今回は土曜日開催です
→今回の課題本、もといテーマは「掃除に関する本」とのこと。実用書ど真ん中から物語内の描写まで。ようはなんでもあり。特に申し込みは不要です。自由参加。ツイキャスでも流します。zoom参加希望者はbooks.lighthouse@gmail.comまで連絡ください。
・5/26(日)14時〜16時 『物語とトラウマ』ゆる読書会
→今回の課題本は多和田葉子の『地球にちりばめられて』です。詳細はこちらから。
②〈10日前だ!〉4月13日(土)に「おでんの会×スナック社会科」を開催します。日中はおでん&スナック社会科のブース販売、夕方以降にトークイベントとなります。トークイベントは17時から20時まで(店頭&配信・アーカイブあり)。登壇者は宮越里子さん、BARBARA DARLINgさん、司会にサトマキさん。詳細&申し込みはこちらから。
③5月11日(土)に山内尚さんと清水えす子さんをお招きしてイベントを開催します。詳細とトークイベントの参加申込はこちらから(お茶会は自由参加です)。『ノンバイナリースタイルブック』『シミズくんとヤマウチくん われら非実在の恋人たち』の2冊のセット販売もしています。ご都合に合わせてぜひ。店頭受取も可能なので、ご希望の場合はウェブストアは通さず直接連絡ください。
④ウェブストアを移転しました。新ストアはこちらです。旧ストアは完全に停止しようと思っていたのですが、無料プランに切り替えても7月くらいまで有料のままなので、Tシャツ売場にしました(新ストアにはTシャツ作成機能がないので)が、こちらもTシャツ作成機能が終了したのでSUZURIに移行しました。
⑤ブルースカイのアカウントを開設していました。なお、Twitterの運用はほぼ終了しました。緊急連絡やDM利用などは続けます。あと、Twitterでしか告知ができない/していないアカウントに関わる告知なども、当面の間は続けます。通常のお知らせ系はほかSNSにて同時並行的におこないますので、ご都合よろしいものでチェックしてください。各種リンクはこちらにまとまっていますので、よーちぇけらー٩( ᐛ )و
⑥2024年5月の文フリ東京を目標に、本屋運営に関するあれこれを書き連ねたZINEを作ろうと考えています。本屋の始め方とか続け方とか、そういう参考になるものは多ければ多いほどいいので、本屋lighthouse的本屋ノウハウZINE的なサムシングをば……。どちらかといえば実用書的な、テクニカルな話をしたいと思います。なので『ユートピアとしての本屋』とはまた違った角度から本屋を考える1冊になるので、あわせて読んだりすると私がよろこびます。ということで、どういうことが聞きたいか/知りたいか教えてください。目次が決まらなくて書き出せないのです。ちんちくりん。この記事へのコメントやbooks.lighthouse@gmail.comなどへ遠慮なくどうぞ。よろしくお願いします。
⑦4/1(月)から4/8(月)まで、タイに行ってきます。お店はその間おやすみ、ウェブストアの発送作業もストップします。本屋lighthouse始まって以来、初の長期休暇。おやすみ明けの仕事の溜まりっぷりがいまから怖い。しかし私は怖いもの見たさの塊なので、特にウェブストア購入分の発送がどちゃくそ溜まっていることを期待しています。
⑧2023年12月19日に大山崎 COFFEE ROASTERSの中村佳太さんと開催したイベントの、文字起こし&編集記事の販売を開始しました(税込500円)。かなり読み応えのあるものになっていますし、本文中に出てくる中村さんたちの取り組みに関してはいずれ書籍化しましょうか、という話になっています。今後に期待!とにかく期待!なお、12月に開催したイベント5つのうち、これで3つ目の文字起こし記事化が終わりました。イベントは月に1回まで!あと2つ、しばしお待ちください……。
出版社の方へ:書評や本の紹介記事をこちらのレターにて配信することが可能です。執筆条件はこちらが叩き台になりますので、内容含め気軽にご相談くださいませ。
この新刊チェックは無料にて配信していますが、投げ銭はいつでも大歓迎でございます(50円以上から設定可能ですので、気前が大変よろしいときなどにこちらからお願いします)。
おまけ
新刊チェック作成中、バルコニーでずっと鳥さんがぴよぴよしておりました。